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パッチ
「パッチ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
パッチの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「階段」より 著者:海野十三
なんという麗人であろう。花心のような唇、豊かな頬、かすかに上気した眼のふち、その
パッチリしたうるおいのある彼女の両の眼は、階段のはるか下の方に向いていて動かない....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
だ。背後から組みついたので、顔も見えないというのだよ」 そのときジュリアは目を
パッチリ明いて、もう大丈夫だから、竜宮劇場の出場に間に合うよう帰りたい。西一郎を....
「地球盗難」より 著者:海野十三
花甚平はとうとう後頭部をしたたか壁にぶっつけた途端に、悪夢から覚めたかのように、
パッチリ眼を明いてしまった。 「……あああーッ。これァどうしたちゅう訳じゃろう?....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
をソッとおさえた。 睡れなくなった夫人は、それでもジッと横になっていた。眼だけ
パッチリ明いて、動かぬ自分の姿態をながめていると、まるでそこに他人の屍体が転がっ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
輪廓が小さく、柔和な緩い円ばかりで、小じんまりと作られている。そして、黒味がちの
パッチリした眼にも、凝視するような鋭さがない。総じてこの婦人には、憂鬱などこかに....
「白雪姫」より 著者:菊池寛
のリンゴの一きれが、のどからとびだしたものです。すると、まもなく、お姫さまは目を
パッチリ見ひらいて、棺のふたをもちあげて、起きあがってきました。そして元気づいて....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
来ることなら、いっそ考えて考えぬいて、疲れた時に眠ることにしようと、新子は眼さえ
パッチリ闇の中に、開けてしまった。 前川氏とたった一度一しょに、シネマを見れば....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
ていた。 「貴女は?」と正次は驚きながら訊ねた。訊ねながらも油断無く、弦に矢筈を
パッチリと嵌め、脇構えに徐に弦を引いた。 「この家の主人にござります。……」 「....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
はなさそうである。 月が明るいので敵勢が見える。自分の姿も見えるだろう。 と
パッチリ音がした。すなわち弦返りの音である。敵の一人が射たらしい、征矢《そや》が....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
それから風船だ、飛ばして置いて引いたってものさ、云う迄もないや、糸をだよ。すると
パッチリ二つに割れ、パラパラこぼれたのは毒薬だ。と、ムーッと弁才坊……」 「そう....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
同を見廻したが、 「な、方々聞かれるような次第、さあさあ刀をお納め下され」と自身
パッチリ鞘に納める。 「貴殿方にも」と十三郎「刀をお納めなさるがよろしい」――で....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
消えた提灯、女の悲鳴 「……雪の夜半、雪の夜半……どうも上の句が出ないわい」 寮のあるじはつぶやいた。今、
パッチリ好い石を置いて、ちょっと余裕が出来たのであった。 「まずゆっくりお考えな....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
れは昼行灯流で」 「ナール、これはよう云われました」 この時葉之助は矢を取ると
パッチリつがえてキリキリキリ、弦一杯に引き絞ると、狙いも付けず切って放した。 「....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
。それもひなびた古い柄だった。その外には、つぎのあたった木綿縞や紅木綿の襦袢や、
パッチが入っていた。そういうものを着られるだろうと持って来たのだが、嫁に見られる....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
いる。そして決着は孰《いず》れにしても急がねばならないところだ。胸算の顔は眼玉が
パッチパチ、という柳風の句があるが、流石の政宗だから見苦しい眼パチパチも仕無かっ....