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「ヒーロー〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ヒーローの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
時の日本にしては絶大な背景を背負っているので、この年少記者はある人々からは英雄《ヒーロー》の一人《ひとり》とさえして崇拝された。この木部がたびたび葉子の家を訪れ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
燃ゆるが如き壮志を包んだ遺骸を赤道直下の熱風に吹かれつつ荼毘に委したは誠に一代のヒーローに似合わしい終焉であった。 遺骨が新橋に帰着したは五月三十日で、越えて....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なければならないことは人生の一つの大きなイーブルではありませんか。「青と白」とのヒーローは詩人的な純潔な音楽的な気品を備え、成長しました。私はツルゲーネフのゼン....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
なお多く精密に数えて、そして綜合して一考しまする時は、なるほど馬琴の書いたようなヒーローやヒロインは当時の実社会には居らぬに違い無いが、しかし馬琴の書いたヒーロ....
異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
の一場面としてはこれも一遍だけは適当であろう。 「モナリザの失踪」という映画に、ヒーローの寝ころんで「ナポレオンのイタリア侵入」を読んでいる横顔へ、女がいたずら....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
の画家は、そのストーリーから一つのシナリオを作らなければならない。まずいかにしてヒーローとヒロインを「紹介」すべきか、全編をいくつの場面に分割すべきか、一つ一つ....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
王様」に、やはり同様に破産した事務所の家具が運び出される滑稽な光景がある。人夫がヒーローの帽子を失敬しようとする点まで全く同工異曲である。これは偶然なのか、それ....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
り近所を捜し回ることがある。手に持っている品物をないないと言って騒ぐのは、漫画のヒーロー「あわてものの熊さん」ばかりではない。 留守にたずねて来た訪問客がだれ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ちらから遠眼鏡で見ると面中《かおじゅう》がきずだらけで有馬だの鍋島だのの猫騒動のヒーローを思い出させるような物すごい形相《ぎょうそう》になっている。この一疋《い....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ていた。(そして、実際、それは或る程度迄成功したかに見える。)従って其の主人公《ヒーロー》たる自己の住む雰囲気は、常に、彼の小説に於ける要求と同じく、詩をもった....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
書も大いなる影響を与える事ができます。しかし個人に重きを置かない社会にあっては、ヒーローを首肯《うけが》わない世においては、自他の懸隔《けんかく》差等を無視する....
それから」より 著者:夏目漱石
と、もう軍神広瀬中佐の名を口にするものも殆《ほと》んどなくなってしまった。英雄《ヒーロー》の流行《はやり》廃《すたり》はこれ程急劇なものである。と云うのは、多く....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
ありたいのだ。そしてそれ故に、芸術至上主義者は詩人でなく、詩人にとっての「英雄《ヒーロー》」であるにすぎない。 要するに詩人は――どんな詩人であっても――所詮....
ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
、比較的忠実に読んだ人さへが、単なる英雄主義者として、反キリストや反道徳の痛快なヒーローとして、単純な感激性で崇拝して居たこと、あたかも大正期の文壇でトルストイ....
淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
《けが》しはしなかったよ。お前さんも、も少し年をとると分って来るんだよ」 私はヒーローから、一度に道化役者に落ちぶれてしまった。此哀れむべき婦人を最後の一滴ま....