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ピンセット
「ピンセット〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ピンセットの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
ぶと共に、うす気味がわるい。が、私はこの微小人間をぜひとも採集して行こうと思い、
ピンセットを出して、彼の胴中を挟もうとした。 するとその微小人間は、身体に似合....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
揃えた。彼は立ち直って、解剖の屍体に近づいた。室内は俄かにザワついた。 医師は
ピンセットの大きいのを右手にもって、屍体の顔をジッと見た。それから屍体の瞼をピン....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の目盛盤が一個、腹をむけて転っていたのでした。 赤星探偵は、その小さい目盛盤を
ピンセットの先に挿みあげましたが、それを紙の上に置くと青酸加里の白い粉をパラパラ....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
と松山の境界線にあたる卓脚の蔭に落ちていた針のない鋲の頭を見付けた。彼は注意深く
ピンセットでそれを拾い上げた。 それがすむと、帆村探偵は、牌を一個一個とりあげ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
き、輪切にし、切り刻んで取り出した臓器を一面に撒乱させ、じっと拡大鏡で覗いたり、
ピンセットでいじり廻したりして深夜に至るも、夜を忘れた一心不乱の態度が、何か夜の....
「城」より 著者:カフカフランツ
気がするのよ。そのために、私は深く狭い墓のことを想像するの。そこではわたしたちは
ピンセットで挾まれたようにしっかと抱き合い、わたしはわたしの顔をあなたの身体に埋....
「博物誌」より 著者:岸田国士
紅鶴を見に行ってやりたまえ。薔薇色の下着の裾が泉水の水に濡れるのを心配して、
ピンセットの上に乗って歩いている。白鳥と、その様子ぶった鉛の頸。駝鳥。雛鶏の翼、....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
すきで出ていると必ず永く立って聞いていたものだった。この男はまだ健在で今は長大な
ピンセットで紙の将棋の駒を動かしながら「何とかして角べろりん」などと例のふし廻し....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ら紙入れを出した。キラキラ光る銀色のナイフ、同じく鋸、同じく槌、それから幾本かの
ピンセット。――外科の道具を抜き出したが、まず一本のナイフを握ると一膝膝をいざり....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
が運ばれるのであろう。キラキラ輝くメスや鋏や、小形の鋸や金属製の槌や、大小数本の
ピンセットや、白布を入れた銀の手箱などが、その傍の卓の上に、整然として置かれてあ....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
かの後腹部内臓の全部が、琺瑯鉄器製の大盆の上に取り出されたときには、そばにあった
ピンセットを取り上げて、臓器の一部分に、もっともらしく触れて見るだけの勇気が出ま....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
変りなく何となく私を睨んで居るようでしたから、一瞬間ぎょッと致しました。で、私は
ピンセットにはさみ、いち早く看護婦の差出した、固定液入りの瓶にポンと投じて持ち去....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
前に当る死体の足もとに小さな壜が栓の抜けたまま落ちていたので、警部はポケットから
ピンセットを取り出して拾い上げて見ると、レッテルには「クロロフォルム」の文字が読....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
指を一本一本熱心に調べましたが、ついに右の人差し指の爪の間から細い細い毛を一二本
ピンセットでつまみだして、同じように保存しました。 「これでよろしい」 と俊夫....
「紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
封筒には差出人の名が無かったので、非常に注意深く検査して、やがて小刀で封を開き、
ピンセットで中身をはさみだしました。出てきたのは半紙半分の白紙でした。 「兄さん....