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ピント
「ピント〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ピントの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
《ただよ》って来た薄明りの中の石鹸玉である。
「あのぼんやりしているのはレンズの
ピントを合せさえすれば――この前にあるレンズですな。――直《すぐ》に御覧の通りは....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ャンドリエの光が大きく彼の眼の中で揺れ始めた。いきなり力強い腕が彼の肩を掴んだ。
ピントの外れた彼の瞳の中に、真蒼なシイカの顔が浮んでいた。広く瞠いた瞳の中から、....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
線に関する場所および時間の考慮、絞りと露出の判断、レンズおよびフィルターの選択、
ピントに関する考慮と測定、それに付随するあらゆる細心の注意、画面の調子に関するく....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
シーボルトの名は日本の文明の起源に興味を持つものは皆知ってる筈である。葡萄牙の
ピントー以来日本に渡来した外人は数限りも無いが、真に学者として恥かしからぬ造詣を....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
がうなった。双眼鏡をもつ大尉の手が、ぶるぶるとふるえた。彼はいそがしく、双眼鏡の
ピントをあわせた。―― 飛行島の第三甲板にある労働者アパートの、はしから三つ目....
「海底大陸」より 著者:海野十三
えもの?」 スミス警部は、いそいで双眼鏡を目にあてた。かれは不器用な手つきで、
ピントを合わせていたが、やがてとび上がるようにさけんだ。 「ああ、あれだな。人間....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
偉大なる結論というものは、大約短いものだ」 と早くも彼は嘆息した。そして両眼の
ピントを合わせてその結論を声高らかによみあげた。 「鵜烏の尻に穴をあけ糸を結び、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
士は、新田先生の体をおしのけるようにして、望遠鏡に目をあてた。そうして、しばらく
ピントを直していたが、そのうちに、大きな声をあげた。
「おや、これはめずらしいも....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
一礼してそれを受けとると、機上から上半身を乗りだして、遥かの下界を向いて双眼鏡の
ピントを合せた。 「見えないか」 「判りましたッ」 「どうだ」 「焼土ばかりです....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
。月が隠れるまでにもうあと二分|弱。 「こちらに把手があります。これをねじると、
ピントが月の表面からだんだんと地球の方へ近よって来ます。隕石が飛んでいるのが見え....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
か、用意!」 海面には虎鮫が、将棋の駒のようにずらりと鼻をならべて左右の戦友を
ピントの合わない眼玉で眺めている。 「いいねえ。では――はいッ、キャメラ!」 ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
たる鸚鵡が、せっかくくわえた肉片を惜しげもなく下に落したのであった。 「あれあれ
ピント」と閣下は鸚鵡の名前を呼んで、「お前はどこか身体の加減でも悪いのだろうか」....
「赤外線男」より 著者:海野十三
スクリーンの上に、朧気な映像があらわれた。 「馬鹿に暗いネ」と課長が云った。 「
ピントが外れているのです。増幅器もまだうまいところへ調整がいっていません。直ぐ直....
「地球盗難」より 著者:海野十三
仕方がない。 大隅学士は、電子望遠鏡の前に坐りきり、刻一刻と、佐々のロケットに
ピントを合わせては、際涯しらぬ天空にとびだしてゆく友の身の上を心配しつづけた。 ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
とを頭において、自由行動をとるさ」 「余計なこと、しやべらないでほしいな。みんな
ピントが外れてらあ」 そう言い放つたと思うと、深志は、夜具を引出して、さつさと....