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ボックス
「ボックス〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ボックスの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
東京。
突然『影』の映画が消えた時、私は一人の女と一しょに、ある活動写真館の
ボックスの椅子に坐っていた。
「今の写真はもうすんだのかしら。」
女は憂鬱な眼....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
をした、鼻の高い、何《なん》とか云う貧相《ひんそう》な女優である。僕はT君と同じ
ボックスにタキシイドの胸を並べながら、落胆《らくたん》しない訣《わけ》には行かな....
「橋」より 著者:池谷信三郎
めた。 幕が開いた。チァイコフスキイの朗らかに憂鬱な曲が、静かにオーケストラ・
ボックスを漏れてきた。指揮者のバトンが彼の胸をコトン、コトン! と叩いた。 舞....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
およそ一週間も続いたのちのことだった。その晩も帆村と私とは、ゴールデン・バットの
ボックスに身体を埋めていた。その日はいつもとは違い、カフェの中にはなんとなく変な....
「人造物語」より 著者:海野十三
の流行児となったエリックという人造人間、米国ではウェンスレー博士のこしらえたテレ
ボックスという名の人造人間など、あとからあとへと現れ、テレ
ボックスの如きは同じ姿....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
を知っているのかい」 新しい客がドヤドヤと扉のうちへ流れこんで来て、岡安の隣の
ボックスを占領してしまったので、きわどい話も先ずそれまでだった。 その日の午後....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
子は俯向いて、少時考えていたが、やがて徐ろに口をきった。 初子のはしゃいだ声が
ボックスを賑わしていた。美佐子はラウンド達を連れて彼女のお客へ挨拶へ出た。 そ....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
しか二十九歳だと聞いていたが、見たところはせいぜい二十二三、眼の覚めるような赤色
ボックス型オーヴァを着ていた。彼女は松岡旧伯爵の世嗣一雄夫人で、類稀れな美貌の持....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
すいと入って来た。 「ラム酒を頂戴!」と云って、どこに腰掛けようかというように、
ボックスを眺めていたが、ふと彼の顔を見るとにッと笑って、いそいそと傍へやって来た....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
煙草屋の夫婦喧嘩を真ッ先にみつけたのは、「青蘭」の女給達だった。「青蘭」の二階の
ボックスから、窓越しに向いの煙草屋の表二階が見えるのだが、なにしろ三間と離れてい....
「香水紳士」より 著者:大阪圭吉
わりにたて混んでいたが、それでも車室の一番隅っこに、まだ誰も腰掛けていない上等の
ボックスがみつかった。 一番隅っこであったことが、わけもなくクルミさんを喜ばし....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
公判は、予審の調べから一週間目の、五月二十三日に開かれた。 十四、五人の被告が
ボックスの中に待っている間に、傍聴人がぞろぞろと詰めかけて、やがてリンの響きとと....
「競馬」より 著者:織田作之助
しなかったが、十日目の夜だしぬけに結婚《けっこん》してくれと言う。隣《となり》の
ボックスにいる撮影所の助監督《じょかんとく》に秋波を送りながら、いい加減に聴き流....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
りびたっているといった方が適当だろう。店があくのは朝の十一時だが、十時半からもう
ボックスに収まって、午前一時カンバンになるまでねばっている。ざっと十三時間以上だ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
の手前にある小路を左へ折れて、「ヴィクター」喫茶店へはいった。薄暗いいちばん奥の
ボックスに坐って、そこの八重ちゃんと呼ぶ女の顔をなんとなく見ていた。八重ちゃんは....