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「マダム〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

マダムの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歯車」より 著者:芥川竜之介
ず文章か挿し画かの中に多少の針を隠していた。どの本も?――僕は何度も読み返した「マダム・ボヴァリイ」を手にとった時さえ、畢竟僕自身も中産階級のムッシウ・ボヴァリ....
暗号数字」より 著者:海野十三
の口辺に急に微笑が現われた。彼は立ちあがってタオル蒸しと同居しているような恰好のマダムのところへ歩いていった。 「ねえ、マダム。ジョナソンのポスターが来ているだ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
員たちは、あいかわらず溌剌として元気な声をたてて笑っていたし、牝牛のように肥えたマダムは御主人にたくさんの買物を持たせて、のっしのっしと歩いていた。彼らは、ロン....
地獄街道」より 著者:海野十三
また間違って売る場合もある。それはバーの主人がときどき休む月曜日の夜に、不馴れなマダムが時々こいつを客に飲ませるのだ。勿論マダムはそんな妖酒とは知らず、安ウイス....
人造人間事件」より 著者:海野十三
院の玄関前にピタリと停った。彼は見た。自動車の中には、中腰になって、洋装の凄艶なマダムとも令嬢とも判別しがたい美女が乗っていた。しかしなんという真青な顔だ。 「....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
「なに、銀さん」警部はキュッと口を結んだ。 「銀さんって誰のことかい」 「おや、マダムは銀さんのだと言わなかったの、まァ悪いことをした。でも、こうなったらしょう....
獏鸚」より 著者:海野十三
と与えられているのに、トーキーで彼女が実際に喋った台辞の方は、「あらまそーお、マダム居ないの、騙したのね。外は寒いわ、正に。おお寒む」 というのであった。な....
あの顔」より 著者:大倉燁子
たんです。夫は道楽者で、私と結婚する前から一人の女がありました、その女はカフェのマダムだったんだそうですが、夫は会社の近くに家を持たせ、会社への往復には必ず立ち....
獄中消息」より 著者:大杉栄
料とを忘れないように、ことに授業料を早くと伝えてくれ。留守宅のことよろしく頼む。マダムによろしく。同志諸君、ことに深尾、横田の二兄によろしく。さよなら。 ....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
係していたことから彼女までもツァーの官憲から危険人物扱いされたことがあるという、マダムNが何かの話から話しだした。彼女はしばらく日本にいて、今僕と同じようにやは....
雛妓」より 著者:岡本かの子
して「そうか」と言ったきり、一しょについて行って呉れた。息子の一郎は「どうも不良マダムになったね」と言いながら、わたくしの芸術家にしては窮屈過ぎるためにどのくら....
街頭」より 著者:岡本かの子
※ぎとられるか闇に骨まで呑み込まれてしまうかだ。 行列の前の方で鬘で年を隠したマダムが逃げた若い情夫と思わずめぐり合った。金棕櫚織の襟飾に手がかかる。 ――....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
客が芸者に対するような態度をとり始めた。葉子はそこで倫理的に一人の妻帯男が一人のマダムに対する不真面目な態度を批判して不愉快になったのでは無い。(ましてX夫人は....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
その通り復誦する。これは朝飯の「カクテール」と呼ばれているものであって、美髪師「マダム・H」のサロンから夫人が覚えて来たものである。「美髪師マダム・H」は顧客の....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
新吉は砂糖を入れ足すのを忘れている甘味の薄い茶を一杯飲み乾すとこう言った。 ――マダム。僕はね。料理にしますとあまりに巴里の特別料理を食べ過ぎました。それでね。....