» モラル

「モラル〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

モラルの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
いる世界だった。すべての色彩と形が水中へ入れば一律に化生せしめられるように人間のモラルもここでは揮発性と操持性とを失った。いわば善悪が融着してしまった世界である....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
となった以上、そこにいわゆる社会人のおつとめ以外、もっと大変な芸術というすべてのモラルやカテゴリーや時代を超越したものにぶつかって行くのです。 ジードは人間と....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
ッサンからはいって行くことによって、人間を描くことを研究するように、裸かの肉体をモラルやヒューマニズムや観念のヴェールを着せずに、描いたのだ。そして、人間が醜怪....
夜の構図」より 著者:織田作之助
の芝居には人の心を打つものがない。真山青果の芝居は、とにかく人の心を打つからね。モラルがある」 「そうです。しかし、僕はモラルのない芝居を書こうとしているんです....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
生のこと、恋愛のこと、音楽のこと、蓬莱和子は相変らずの調子で喋りまくる。私、ノンモラルですの、夫以外の人と恋愛します。私、ヒューマニストですの、私、真実一路です....
学生と生活」より 著者:倉田百三
。まして勉強の余暇に恋愛をたのしめというような卑俗な意味ではない。恋愛には恋愛のモラルと法則とがある。その意味では「学校を落第してまでは恋愛をせぬ」というモット....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
一の聖人」と自ら宣した。 日蓮のかような自負は、普遍妥当の科学的真理と、普通のモラルとしての謙遜というような視角からのみみれば、独断であり、傲慢であることをま....
学生と読書」より 著者:倉田百三
との奥深き扉をのぞき得るのである。それは最も深き意味での人間教育である。真と美とモラルの高みへとわれわれを引き上げてくれるのである。かような人間教育をなし得る書....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
しき例であろう。しかしながら人生の行路においては別離すべきときには別離するというモラルがまた厳かにあるのである。離れ難い愛着を感じる愛欲の男女がこの上の結合が相....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
であることと、心術が世俗の濁りに染んでいないことと、解決を求める仕方が深く、高くモラルを堅持している点において、今の若き世代に感染してもいいものではないかと思う....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
出す。漢学的な空気のいい型を人品に示していた。 日露戦争のころ健康な人格主義のモラルが思想界にも、文壇にもあった。たとい非戦論を唱えてもその態度にシンセリチー....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いるね。汝の欲せざるところ、これを人に施すなかれ、ということが形式的にでも通俗なモラルになると、世界の様相は一変して、なごやかになるね。 再軍備が必要だという....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にブラブラ漂っていましたよ。陸上では見かけられないノンビリした風景でした。陸上のモラルや礼儀に関係なく、しかし、大自然に制約された秩序もユーモアもあるようでした....
織田信長」より 著者:坂口安吾
は、殆ど好色なところがなかった。さのみ珍味佳肴も欲せず、金殿玉楼の慾もなかった。モラルによって、そうなのではない。その必要を感じていなかったゞけのことだ。 老....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
いということは情けない。私はつまり戦争を知らなかったからである。 目下の我々のモラルや秩序や理念だけでは、人間は窮すると中世になる。この逆転を支えるだけの実力....