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ヨード
「ヨード〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ヨードの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海底都市」より 著者:海野十三
状態にあるわけだし、昆布《こんぶ》がたべたくて仕様がないときには、身体に沃度分《
ヨードぶん》が必要な場合なのであろう。 「しかしねえ、タクマ君。僕らが今どのよう....
「四つの都」より 著者:織田作之助
遊びの方を見ている。新吉にはふと遠い眺めである。そして新吉は、清子の「小谷先生、
ヨードチンキあって?」という言葉を聴いている。
ヨードチンキは渡されたらしい。初枝....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
と推移とを痕づけることは興味津々たるものである。 倫理学史にはフリードリッヒ・
ヨードルの『倫理学史』、ヘンリイ・シヂウィックの『倫理学史の輪郭』、ニコライ・ハ....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
は患者に注意しました。 さて、繃帯を取り終ると、申す迄もなく剔出した方の眼には
ヨードフォルムガーゼが詰められてありまして、美しい容貌も惨憺たるものでした。患者....
「肉腫」より 著者:小酒井不木
。 凡そ三分ばかり彼は黙って見つめて居たが、急にその呼吸がはげしくなり出した。
ヨードホルムのにおいが室内に漂った。 「先生!」と彼は声を顫わせて叫んだ。「手術....
「かもめ」より 著者:神西清
マ、包帯を換えてくれませんか。あなたは上手だから。 アルカージナ (薬品戸棚から
ヨードホルムと包帯箱を取り出す)ドクトルは遅いこと。 トレープレフ 十時ごろって....
「妻」より 著者:神西清
、食堂へ連れて行った。 彼の純朴な眼つき、よれよれのフロック、安物のネクタイ、
ヨードフォルムの臭い――それらは私に不愉快な印象を与えた。これは悪い仲間にはいっ....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
れ。」 私は「調査箱」と呼んでいるカンヴァス張りの鞄をあけ、小さい薬味入れ――
ヨードホルムを振り出す壜――のようなものを彼にわたした。彼は針金のハンドルを握っ....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
。雑嚢の中には、薬が沢山に入っていた。風邪の薬、胃腸の薬、子供の気つけにする薬、
ヨードホルム、即効紙などがごたごたと一杯になって入っていた。勇吉はそれを自分の村....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ルバハの『近世科学史』が私の注目を惹く(上巻・松本義雄氏訳・政経書院版)。これは
ヨードルのフォイエルバハ全集に依ったもので、詳しくは、『ベーコンからスピノザまで....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。医者はオリヴィエを聴診して、肺尖《はいせん》に少し炎症を発見し、患者の背中に
ヨードチンキの塗布をクリストフへ頼んだ。クリストフはその役目を真面目《まじめ》く....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の効果が大規模に実験されたのもその時のことであって、今日ではそれに代えて、有効な
ヨードチンキが外用されるようになったのである。ところでその流行病のおりに、マニョ....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
る。昆布の価値は、東京人には判らない。チューインガムという阿呆なものより、昆布の
ヨードの方がどんなにいいか――私の、少年時代、まだ、大阪の橋々の上には、夏の夜店....
「霧の中のヨードル」より 著者:中井正一
て来る。 長次郎は私をいざなって、一つのピークに立った。そして昔の山びと特有の
ヨードルを高らかに放った。鳶の鳴き方に一寸似た、“Oho………horrr………o....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
かににおう。秋月君はそこに出してある三河内焼きの茶わんに勝手に冷えた茶をつぐと、
ヨードチンキで真っ黒になった片手でぐいとあふった。 「私は山に入ることにしました....