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ラ音
「ラ音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ラ音の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
うかすると、水に近い楊の枯枝が船の屋根に触れて、それを潜り抜けて行く時にはバラバ
ラ音がした。 船の中は割合に暖かだった。同じ雪国でも高原地に比べると気候の相違....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
いをおもしろく語った。その時は和尚さんもうかれ心になって雪駄を買って、チャラチャ
ラ音をさせて、明るいにぎやかな春の町を歩いたという。奈良では大仏、若草山、世界に....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
出して、私の髪《かみ》をなでつけた。私の房々した髪は櫛の歯があたるたびに、パラパ
ラ音をたてて空へ舞《ま》い上った。 「わんわんして、火がつきゃ燃えつきそうな頭じ....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
来からでさえも、三度も決行されている。 現に私も目撃した。花見の折からで「サク
ラ音頭」なる囃子《はやし》が隆盛を極めていた。夜ごと夜ごと、鎮守の森からは、陽気....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
。なお見ていると、小さな石一つ、沢の上から落ちて、豆太鼓でも鳴らすような、カラカ
ラ音をさせると見ると、砂煙がぱッと立って、二、三丈ばかりの砂夕立が降る。「さあ、....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
ッキリ一つ一つ見えた。風がなかったので、その一つ一つが、いかにものんきに、フラフ
ラ音もさせずに降っていた。活動常設館の前に来たとき入口のボックスに青い事務服を着....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
居る許りであった。 上半身をズーッと下げて、下の板間に敷いた紙にサラサラサラサ
ラ音を立てながら素早い手付きで髪を梳いて居る姿、湯上りの輝いた顔を涼風に吹かせて....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
。その中から四|枚、金貨をつかみ出して、食卓の上にならべ、わざとらしくチャラチャ
ラ音をさせた。 「だが待てよ」とバルブレンが言った。「いつかこの子のふた親が出て....
「純粋の声」より 著者:宮城道雄
どの先生も、とてつもないひどい足音をさせて歩いていた。テーブルの上のものはガラガ
ラ音がするし、どうも大股でわざと音を立てているらしい。建物がしっかりしているらし....
「死体室」より 著者:岩村透
ると、玻璃窓越しに、戸外の中庭に、木枯の風が、其処に落散っている、木の葉をサラサ
ラ音をたてて吹くのが、如何にも四辺の淋しいのに、物凄く聞えるので、彼も中々落々と....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
。 第一、まるで話が聞こえないのだ。初期の郵便飛行機に乗っているくらいなプロペ
ラ音と震動である。そして船は、所々の砂利洲に着き、四、五の人が降り、四、五の人が....