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ルージュ
「ルージュ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ルージュの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
女の両頬に円らな瞼の上に、しずかに摺りこんだ。そして最後に、ミチミの愛用していた
ルージュをなめて、彼女のつつましやかな上下の唇に濃く塗りこんだ。 ミチミはいき....
「獏鸚」より 著者:海野十三
トーキー撮影場の天井ばかり見上げていた。 「それからついでに紹介するが、あすこで
ルージュを使っているのが、例の三原玲子さ」 「三原玲子?」帆村は初めて眼を天井か....
「神経」より 著者:織田作之助
たかだか阪急沿線のプチブル趣味の豪華さに過ぎない。同じ貧弱なら、新宿のムーラン・
ルージュや浅草のオペラ館や大阪の千日前のピエルボイズ(これも浅草から流れて来たも....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
いると、なにか新社員のみじめさといったものが寒々と来た。道頓堀の赤玉のムーラン・
ルージュが漸くまわり出して、あたりの空を赤く染めた。待たされている所在なさに、ぼ....
「世相」より 著者:織田作之助
南西詰にある赤玉と並んで、その頃大阪の二大カフェであった。赤玉が屋上にムーラン・
ルージュをつけて道頓堀の夜空を赤く青く染めると、美人座では二階の窓に拡声機をつけ....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
こんで、自身出向いた。下味原町から電車に乗り、千日前で降りると、赤玉のムーラン・
ルージュが見えた。あたりの空を赤くして、ぐるぐるまわっているのを、地獄の鬼の舌み....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
リンを塗っている。刷毛でつけた頬紅を、脱脂綿でまたほのぼのとふきとり、上唇の濃い
ルージュを、下唇に移して、油性のクリームで光らせる。圭子も惹きつけられて、鏡の中....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
っていたのだ。 南原杉子はダンスのレッスン場へいそいだ。髪毛をばらして、派手に
ルージュを塗り、五時五分前まで踊りつづけ、髪毛をまとめてカレワラへ来た。仁科六郎....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
々たる牙城は、とても作れそうもないんだ。 夜は、兄さんに引っぱられて、ムーラン
ルージュを見に行った。つまらなかった。少しも可笑しくなかった。 五月三日。水曜....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
ける式場の光景はさすがにレビューの名に恥じない美しいものであった。 ムーラン・
ルージュはこれと同じようでも、どこかもう少し露骨で刺戟の強いものであった。完全に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
名家抄の中に、新ドイツ帝国の宣告を見出した。そしてフレデリック・コンスタン・ド・
ルージュモンの書いたドイツ人に関する記述を読んで、次のことを教えられた。
....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
リストフは、これまで住んでいた粗末な室――室代があまり高かった――を捨てて、モン
ルージュ町にある屋根裏の室を借りた。この室は他になんの取り柄もなかったが、ただき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すべてが一変してしまった。 彼は、クリストフやセシルの住居とあまり遠くないモン
ルージュの高地に、ごく粗末な部屋を借りていた。卑俗な町で、その家には、わずかな定....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。上着や下着は皆びしょぬれだ。身体にまでしみ通ってくる。娘はまた、アンファン・
ルージュの洗たく場でも働いたことがある。そこでは水が鉄管から来るので、桶の中には....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
である。
大審判の精神は、危急の瞬間にこの無名の男の中に入りきたった。あたかも
ルージュ・ド・リールがマルセイエーズ(訳者注 フランスの国歌)を見いだしたがごと....