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ロビー
「ロビー〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ロビーの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:金子ふみ子
た。煤けた薄暗い部屋には、破れて腸を出した薄汚い畳が敷かれていた。その上にサッポ
ロビールの空函が五つ六つ横倒しに並べられていた。それが子供たちの机だった。私のペ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いま、何を演っておりますかしら……?」 と、云うと、準之助氏は、立って行って、
ロビーの隅に置いてある、新聞の綴こみを持って来ると、広告欄を開けて指を辿り始めた....
「天馬」より 著者:金史良
ですよ」と何度も独りで強く肯いてみせた。 それから急に首を突き出し、手では奥の
ロビーの方を指しながら、 「一寸ソファーを借りますぜ」 と云うとくるり背を向け....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
十松は仙七殺しの犯人として逮捕され留置場にはいっていた。 九太夫は自分の旅館の
ロビーで糸子と辰男を前にコーヒーをすすりながら、気持よげに自慢話しをしていたので....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
央階段を降りようとする途中で窓越しに東を見ると、地下鉄ビルの照明が見える。サッポ
ロビールの活動照明、ビール罎の中から光の噴泉が花火のように迸しる。 靴が見えな....
「望郷」より 著者:服部之総
道にひきつけるたった一つの――ビールとあわせて二つきりの――媒体であった。サッポ
ロビールの名も消えていまはない。けれども、私はこんにちの北大の学生たちが、在りし....
「魔都」より 著者:久生十蘭
る時、君は鶴子嬢と向うの寝室の長椅子に並んで坐っていた。今晩の五時に帝国ホテルの
ロビーで落合って三人で一緒にプリュニエへ飯を食いに行く約束をし、間もなく僕が有明....
「道標」より 著者:宮本百合子
ホテルに部屋をとった。
ワルシャワの駅頭でうけた感じ。それからその三流ホテルの
ロビーや食堂で、あぶらじみたような華美なような雰囲気にふれるにつれ、伸子と素子と....
「上海」より 著者:横光利一
介してみたくてならぬのであった。 甲谷と宮子は、河岸のパレス・ホテルへ着くと、
ロビーの椅子に向い合った。大伽藍のように壮麗な側壁、天空を摸した高い天井、輝き渡....
「旅愁」より 著者:横光利一
を打ってあるので明日でもそちらへ行かねばならぬと話した。
ニュー・グランドの
ロビーでは一団のものらは悉く揃って二人の来るのを待っていた。二人が見えると、白い....