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ロマンス
「ロマンス〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ロマンスの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
か判断に迷っているらしかった。その妙に落ち着かない容子《ようす》は確かに恋愛だの
ロマンスだのと縁の遠いものに違いなかった。広子は目だけ微笑しながら、こう言う妹の....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
『恋はすまじ』は、すさまじいと思うネ。僕は詳しいことは一向知らないけれど、余程の
ロマンスでもないかぎり、大尉どのに、あの麗人がかしずく筈がないと思うんだ、いや、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
真赤に充血していた。 「じゃ行ってくるよ。……まあ、帰って来てから、ゆっくり君の
ロマンスを聴かせて貰おう」 僕は黄金の鍵をポケットの中に握りしめて、いつものよ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
った、何遍くりかえして見ても、同じだった。 「ふむ、すばらしいぞ。これは、新しい
ロマンスの開幕だ」 この夥しい女性のどれが、自分の胸に香りのいい頭髪を押しつけ....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
れども、どうしてもぼくの想像は、こんなふうにばかり傾いてくるんだ。それに、どうも
ロマンスというやつは、畑違いでぼくには苦手だが、ま、……ここに一人の、純心な灯台....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
の葉茶は花のごとき芳香を放ってしばしば驚嘆すべきものがあるが、唐宋時代の茶の湯の
ロマンスは彼の茶|碗には見ることができない。 日本はシナ文化の先蹤を追うて来た....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
出るような遊女になると相当生活の独立性が保てたし、一つは年齢の若い遊女にそういう
ロマンスが多いですね」 「じゃ、千手もまだ重衡の薄倖《はっこう》な運命に同情でき....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ミイは二人をスケッチしようと思いたちました。この古ぼけた部屋にこの一家の、最初の
ロマンスが、まばゆいばかりかがやき出し、たいしたごちそうはありませんでしたが、そ....
「遊動円木」より 著者:葛西善蔵
の旅の身の私には、ほんとに彼らの幸福そうな生活が、羨ましかった。彼らの美しい恋の
ロマンスに聴き入って、私はしばしば涙を誘われた。私はいつまでもいつまでも彼らのそ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
寵を失うことはなかった。けれども、彼をエセックスにむすびつけるものは、――奇妙な
ロマンスだった。伯爵の愛妹、ペヌロオプ夫人は、かつてサア・フィリップ・シドニイが....
「火の扉」より 著者:岸田国士
が、面白いから、わしは、その条件を快諾するよ。よろしい、二十年後を見ようよ。君の
ロマンスの美しい結末を楽しみに、わしは、君の青春を大事にあずかるよ。しかし、言つ....
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
がら美事な物語ができたのである。私はいまでもそう信じているのであるが、あのような
ロマンスは、おそらくは私が名前を借りたその新進作家ですら書けないほどの立派なでき....
「科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
げでどこへ行っても面白い。それこそスチーブンソンではないが、辻馬車を見ても一種の
ロマンスを見出だすようなこともある。倫敦塔や、セント・ポールス寺院を訪うたびにエ....
「狂女と犬」より 著者:小酒井不木
に慰めてやりたいというような希望も持って居た。然し、実際道中をして見ると、そんな
ロマンスは何処にも落ちて居なかった。たまたま眼付きの悪い人間に出逢っても、それが....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
「え? 大鹿が動くんかい?」 「しらッぱくれて。あなたの社の暁葉子と大鹿さんの
ロマンス、ちょッと教えてよ」 「え? なんだって? 初耳だな。君は、どこから、き....