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一つ星
「一つ星〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つ星の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「双子の星」より 著者:宮沢賢治
強い星たちはもう銀の鎧《よろい》を着て歌いながら遠くの空へ現われた様子です。 「
一つ星めつけた。長者になあれ。」下で一人の子供がそっちを見上げて叫んでいます。 ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
駄を揃えてあるほどの所帯ではない。玄関の下駄を引抓んで、晩方背戸へ出て、柿の梢の
一つ星を見ながら、「あの雀はどうしたろう。」ありたけの飛石――と言っても五つばか....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
暮れ逼って来た。 纐纈布の赤袍が、ふたたび焔のように輝く時刻になった。 一つ
一つ星が生れて来た。 その時城主は眼をさました。そうしてやおら立ち上がった。 ....
「ひのきとひなげし」より 著者:宮沢賢治
西のそらは今はかがやきを納め、東の雲の峯はだんだん崩れて、そこからもう銀いろの
一つ星もまたたき出しました。....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、雨雲の一際黒く、大なる蜘蛛の浸んだような、峰の天狗松の常燈明の一つ灯が、地獄の
一つ星のごとく見ゆるにつけても、どうやら三体の通魔めく。 渠等は、すっと来て通....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
すでしょう。太陽の明るみが何時か消えて、西岸に聳えるプロスペクト山の頂に見馴れた
一つ星が青白く輝き出すと、東の山の端はそろそろと卵色に溶け始めます。けれども、支....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
うわははははは」
そのとき……。
ツーイと銀砂子《ぎんすなご》の空を流れる、
一つ星。
「あ、星が流れる――ウウム、さては、ことによると老先生がおなくなりに…....
「烏の北斗七星」より 著者:宮沢賢治
水色の天の淵《ふち》がのぞいて底光りしています。そこで烏仲間でマシリイと呼ぶ銀の
一つ星がひらめきはじめました。 烏の大尉は、矢のようにさいかちの枝《えだ》に下....
「暗号数字」より 著者:海野十三
西暦一千七百年時代の英人が描いてあった。近づいてみると、鼻の頭に、例の特別記号の
一つ星が書きこんであった。 「なにか御用でございますか」 と、生意気そうな店員....
「日記」より 著者:宮本百合子
と、緊張を感じた。 雨戸をあけて見る。戸外は柔かな月夜で、黒い青桐の枝の間から
一つ星が輝いて居るのが見え、粉っぽい、こな白粉のように鼻を擽るなつかしいにおいが....
「おせん」より 著者:邦枝完二
度、半蔵松葉の粧おいという花魁を、小梅の寮まで乗せたことがあったっけが、入山形に
一つ星の、全盛の太夫を乗せた時だって、こんないい気持はしなかったぜ」 「もっとも....
「酔っぱらい星」より 著者:小川未明
なりませんでした。そして、まったく夜になって、床の中に入りますと、いつも高窓から
一つ星の光がもれてさすのでありました。それを見つめていますと、それが星でなくて、....
「星と柱を数えたら」より 著者:小川未明
ました。そして、よく晴れわたった夜の空を仰ぎました。青い、青い、奥底から、一つ、
一つ星の光が輝きはじめて、いつのまにか大空は、まいたように星がいっぱいになったの....