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一つ橋
「一つ橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つ橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
っていっしょになってくれたのは嬉しかった。 二人は朝起きると、両国橋を渡って、
一つ橋の予備門に通学した。その時分予備門の月謝は二十五銭であった。二人は二人の月....
「並木」より 著者:島崎藤村
友達に別れると、遽然《にわかに》相川は気の衰頽《おとろえ》を感じた。和田倉橋から
一つ橋の方へ、内濠《うちぼり》に添うて平坦《たいら》な道路《みち》を帰って行った....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
少し間をおいてから下へおりて行ったが、外へ出てみた時には、荷車はすでに水道橋から
一つ橋へ通う大道路を突っ切っていた。 その辺は庸三も葉子と一緒に、しばしば自動....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
士たちが花の如く集って来た。森有礼の理想によって、女子の最高学府として設立された
一つ橋の東京高等女学校のポスト・グラデュエート(専修科)に通っていた花圃は、そう....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ありません。勿論、往復とも徒歩なんですから、帰途によろよろ目が眩んで、ちょうど、
一つ橋を出ようとした時でした。午砲!――あの音で腰を抜いたんです。土を引掻いて起....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
内に、何か催しがある……その音であろうと思った。 けれども、欄干に乗出して、も
一つ橋越しに透かして見ると、門は寝静ったように鎖してあった。 いつの間にか、ト....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
、新橋を焼いて鎮まった。しかしその一方、未の刻に麹町から出た火があって、雉子橋、
一つ橋、神田橋に及び、また北風になった風に煽られて、八重洲河岸、大名小路を嘗め、....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。例のところさ。はは。』 と大声を発しているのは、若い会社員の一団――恐らくは
一つ橋出らしい郵船の人たち――の食卓である。 『いや、そのことさ。じつはこうなん....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
朱盆を、かっ浚おうとでもしているようだ。曰くがなければならないぞ」 神保町から
一つ橋、神田橋から鎌倉河岸、それから斜めに本石町へ出、日本橋通を銀座の方へ、女は....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
いたのは、それから二刻とたたぬ時であった。 伊賀袴をはいて竹胴を着けた武士が、
一つ橋に近い若年寄遠藤但馬守の辻番所の傍らまで落ちのびた時、ついに深傷に堪え兼ね....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
、いま更! 仙太、斬れっ! 仙太 (甚伍左の言葉が耳に入るや、刀を下げて)なに、
一つ橋様だと? 甚伍 そうだっ! 人のため、世のため、国のためを思ってすることな....
「酒」より 著者:正岡子規
○
一つ橋外の学校の寄宿舎に居る時に、明日は三角術の試験だというので、ノートを広げて....