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一つ目
「一つ目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つ目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
卓《テーブル》に肘をついている。彼の周囲にあるものは、客も、給仕も、煽風機も、何
一つ目まぐるしく動いていないものはない。が、ただ、彼の視線だけは、帳場机の後の女....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
といけませんから、仮にこう呼んで置きましょう。)二十三の夏にあった事で、当時本所
一つ目辺に住んでいた神下しの婆の所へ、ちと心配な筋があって、伺いを立てに行ったと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「お角はどうなりました」と、私は訊いた。 「無論、召し捕りましたよ。お角は本所
一つ目のお留という女髪結の二階に隠れていました。早桶をかつぎ出したのは、お留のせ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せてみると、鳥はいつの間にか変っているのであった。喜右衛門はびっくりした。かれは
一つ目の妖怪にもおびやかされたが、十五両の鶉が二足三文の駄鶉に変っているにも又お....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
九) 首座の神で、自分の子のツォイスに貶された。 (注一〇) アポローに殺された
一つ目の巨人たち。 テイアは光り輝く太陽ヘリオスと太陰セレネを生みぬ、 また曙の....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
いきなり跼んだかと思うと、かちッとライターの火が光った。やがて暗闇に、煙草の赤い
一つ目が現われる。 「さて、仕事前の一服と……。寺はあれだな」 と、ひとりごと....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
よ」 「あたしだって、こわいもの平気よ。ポーデル先生、そのかわった人物というのは
一つ目|小僧《こぞう》ですか、それともろくろッ首ですか」 「うわはは、二人とも気....
「超人間X号」より 著者:海野十三
うしろ向きになって、完全に足あとを消していったのだ。 こういうわけで、犯人は何
一つ目ぼしい証拠を残していなかった。何も証拠を残していかないということが、犯人の....
「火星探険」より 著者:海野十三
火星の表面は、すこしばかり西へ位相を変えた。火星の極冠は、いつも眩《まぶ》しく、
一つ目小僧の目のように輝いている。その他のところは、或いは白く、或いは黒く見えて....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た、家並になる。まだ、ほんの新開地で。 そこいらに、小川という写真屋の西洋館が
一つ目立った。隣地の町角に、平屋|建の小料理屋の、夏は氷店になりそうなのがあるの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の蘆間の水。水のどこからが夢であって、どこまでが事実であったか。船はもう一浪で、
一つ目の浜へ着くようになった時、ここから上って、草臥れた足でまた砂を蹈もうより、....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
であると、さっき導き出したばかりです)――さて、これだけでは決定的でないが、もう
一つ目をつけるべきところがある。それは七段目の右端の数字も、同じく0であることだ....
「虎」より 著者:岡本綺堂
の前に蛇使いを見せたらば、今度は※娘をみせる。この前に一本足をみせたらば、今度は
一つ目小僧を見せるというように、それからそれへと変った物を出さなければならない。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
いたします。お傍にいとう存じます。 媛神 (廻廊に立つ)――私の傍においでだと、
一つ目のおばけに成ります、可恐い、可恐い、……それに第一、こんな事、二度とはいけ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
れだった。 僕等は回向院の表門を出、これもバラックになった坊主軍鶏を見ながら、
一つ目の橋へ歩いて行った。僕の記憶を信ずるとすれば、この
一つ目の橋のあたりは大正....