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「一乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った家族のことを想って、胸のせまるのを覚えた。 しかし戦死したと思った伊号一〇一乗組の、紅子の大好きな直二兄が、無事な姿をひょっくり現わすだろうことを思えば、いつとはなしに微笑まれて来るのであった。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
真ん中にして降り積る雪の中を七里の間、新潟まで送って行った。 そのあとへ、広田一乗という、名前から坊主臭いしかしハイカラな新しい文学士が来た。が、この新校長は....
連環記」より 著者:幸田露伴
に一日の長があり、法悟に於ては源信に数歩の先んずるものが有ったろうが、源信もまた一乗要訣、往生要集等の著述少からず、寂心と同じように筆硯の業には心を寄せた人であ....
堕落論」より 著者:坂口安吾
分自身でやっている。そして自分の馬鹿らしさには気づかないだけのことだ。宮本武蔵は一乗寺下り松の果し場へ急ぐ途中、八幡様の前を通りかかって思わず拝みかけて思いとど....
青春論」より 著者:坂口安吾
いうのは決して立派なことではない。 宮本武蔵は吉岡一門百余名を相手に血闘の朝、一乗寺下り松の果し場へ先廻りして急ぐ途中、たまたま八幡様の前を通りかかって、ふと....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
仏陀の金言を無視するは許されぬ。「法華経方便品」によれば、「十方仏上ノ中ニハ、唯一乗ノ法ノミアリテ、二モ無ク亦三モ無シ」とある。 仏陀の正法は法華経あるのみ。....
発明小僧」より 著者:海野十三
ときは天罰覿面、乗客は反省するであろう。 (本発明方式は、一電気局又は一電鉄会社一乗合自動車会社につき、金五千円也として権利使用を許す。) 〔附記〕折角の発明で....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
道から始る。一七七五年十一月末の夜。丘を登るドーヴァー行の駅逓馬車、その傍を歩く一乗客、泥濘の道、馬車を曳く馬、谷々をたちこめるイギリス名物の霧、厚く身をくるん....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
藤みな子の建設に係わるものであって、あまねく高識な尼僧のみを集め、瑜伽大日経秘密一乗の法廓として、ひろく他宗に教論談義を挑みかけていた。所が最近になって、この異....
叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
り鳥仰ぐに痛き瞳かな 白木の位牌を取り納めて、英一の戒名を過去帳に写す。戒名は一乗英峰信士、俗名石丸英一、十八歳、大正九年十月九日寂。書き終りて縁に立てば、午....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
して私はまた直に「この経の真面目は何であるか」と言って尋ねると「それは三乗は即ち一乗であるということを説明した経文である」と答えた。それからその経文を持ち帰って....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
巻二十八品ある大部のもので、彼の心を惹いたところは一つも無い。強いて求めれば唯有一乗諸法寂滅相という言葉だけであった。これが仏教であるのか。どこに仏教の魅力があ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
都作の天台大師和讃の発端、 帰命頂礼大唐国 天台大師ハ能化ノ主 仏ノ使ト世ニ出テ一乗妙法宣ベ給フ 眉ハ八字ニ相分レ 目ニハ重瞳相浮ミ 妙慧深禅身ヲ厳リ 仏ニ殆ド....
六日月」より 著者:岩本素白
朝早く一乗寺村を歩いて、それから秋晴の八瀬大原、帰りに鞍馬へ登って山端の駅まで戻って来....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
悶着を起したというが如きも、やはりこの時代のことであった。後にその清水寺が興福寺一乗院門跡末となったように、いわゆる大和の七宿の中にも興福寺所属となって、十座唱....