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一人っ子
「一人っ子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一人っ子の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
たのは、帰って二日目の朝であった。
芳江《よしえ》というのは兄夫婦の間にできた
一人っ子であった。留守《るす》のうちはお重《しげ》が引受けて万事世話をしていた。....
「道草」より 著者:夏目漱石
》へ入れた。…… 要するに彼はこの吝嗇な島田夫婦に、よそから貰《もら》い受けた
一人っ子として、異数の取扱いを受けていたのである。 四十一 しかし夫婦の心の奥....
「子供の世界」より 著者:宮本百合子
或る若い母さんのうちに小学四年になった男の子がいる。
一人っ子であるから、どうしても親たちの生活の目撃者となることが多い。 その子が....
「千世子(二)」より 著者:宮本百合子
てしまいたく思われた。 (三) もう十年ほど前に亡《な》くなった大伯父の
一人っ子に男《おとこ》の子がある、十八で信二《しんじ》って云う。 大伯父が純宗....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、歓楽きわまって哀愁生じて、泣いてしまった。実にこの子供の心もちわかるでしょう?
一人っ子なんてこれだから可哀そうです。 それから夜の部がはじまって、こっちは大....
「孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
女は私に酒のお酌をしながら、じいっと私の顔を見つめて―― 「わかったわ。あなたは
一人っ子なんでしょう。」 そしてぱっと頬を紅くした。 私は心にどきりとした。....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ーサの母親はイギリス人であった、名前をミリガン夫人と言った。後家さんで、アーサは
一人っ子であった。少なくとも生きているただ一人の子どもだと考えられていた。なぜと....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
と私は、両親の世話をひとり占めした。母は女の子をほしがっていたが、依然として私は
一人っ子であった。私が五つぐらいのころ、イタリアの国境を越えて旅をし、コモ湖の岸....
「詩劇「水仙と木魚」」より 著者:三好十郎
しかしそれにしても、おかしいなあ そうやって寝たっきりの光ちゃんが しかもお寺の
一人っ子の光ちゃんが どうしてフランス語など習うんだろ?」 「だって何を習おうと....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
ってこの上もなく可愛がられました。彼の父は彼の七歳のとき病死しましたので、母親は
一人っ子の留吉を杖とも柱とも思いましたが、留吉は母親の強烈な慈愛をも、まるで感じ....