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一人娘
「一人娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一人娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
すが、丁度その時分若殿様は、前に申しあげました中御門《なかみかど》の少納言様の御
一人娘で、評判の美しい御姫様へ、茂々《しげしげ》御文を書いていらっしゃいました。....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
き》に服さなければならなかった。
その吉助が十八九の時、三郎治《さぶろうじ》の
一人娘の兼《かね》と云う女に懸想《けそう》をした。兼は勿論この下男の恋慕の心など....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
智慧袋《ちえぶくろ》を絞ってついた嘘だ。その上壻の身になれば、ああでも云わぬと、
一人娘は、容易にくれまいと思ったかも知れぬ。お婆さん、お前はどうしたと云うのだ。....
「竜」より 著者:芥川竜之介
申しますのは、春日《かすが》の御社《おやしろ》に仕えて居りますある禰宜《ねぎ》の
一人娘で、とって九つになりますのが、その後《のち》十日と経たない中に、ある夜母の....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
神々の心を尋ねさせた。すると意外にも、ここにいる、櫛名田姫《くしなだひめ》と云う
一人娘を、高志《こし》の大蛇《おろち》の犠《いけにえ》にしなければ、部落全体が一....
「星座」より 著者:有島武郎
活は、だから不運ばかりの仕業《しわざ》ではない。清逸への仕送りの不足がちなのも、
一人娘を女中奉公に出さねばならなかったのも、人知れぬ針となってその良心を刺してい....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
で満足した、人間の慾は浅いものだね。 僧都 まだまだ、あれは深い方でござります。
一人娘の身に代えて、海の宝を望みましたは、慾念の逞い故でござりまして。……たかだ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
お里方、親御、御兄弟は? 晃 山沢、何にもない孤児なんだ。鎮守の八幡の宮の神官の
一人娘で、その神官の父親さんも亡くなった。叔父があって、それが今、神官の代理をし....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
で、 「されば、おあねえ様であらっしゃります。」 「姉だか、妹だか、一人居ます。
一人娘だよ。いやさ、大事な娘だよ。」 「ははっ、御道理千万な儀で。」 「それが、....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
※いたが、それがどうやらうるんでいたので。 謙造はじっと見て、傾きながら、 「
一人娘で養子をしたんだね、いや、その時は賑かだッけ。」 と陽気な声。 「土蔵が....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いもいたしました……何卒その頃の物語り丈は差控えさせて戴きます……。 大江家の
一人娘が何故他家へ嫁いだか、と仰せでございますか……あなたの誘い出しのお上手なの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の
一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
み悼まれたほどのことである。 深川富岡門前に待乳屋と謂って三味線屋があり、その
一人娘で菊枝という十六になるのが、秋も末方の日が暮れてから、つい近所の不動の縁日....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ます。この「大船で一艘積出す、」というのが若い時からその男の癖だった。話の中に、
一人娘は、七八ツの時から、赤坂の芸妓家へ預けてある、といったのも、そういえば記憶....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
た、十徳を着そうな、隠居頭の柔和な老人が見えた。これが主人である。内儀は家つきの
一人娘で、その十四の時、年の三十ばかり違うのに添った、婿養子で、当時は店の御支配....