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一人旅
「一人旅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一人旅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
わ。その方は一足先へ参れ。身どもは宿まで取って返そう。」――彼はこう云い放って、
一人旅籠へ引き返した。喜三郎は甚太夫の覚悟に感服しながら、云われた通り自分だけ敵....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
、まことに面目《めんぼく》ありません。のこりの金はみなお前様のものにして下され。
一人旅うき世をあとに半之丞。〔これは辞世《じせい》でしょう。〕おまつどの。」
....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
に、それよりもむしろ俗か。
(お泊りはどちらじゃな、)といって聞かれたから、私は
一人旅の旅宿のつまらなさを、しみじみ歎息《たんそく》した、第一|盆《ぼん》を持っ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
なさいました。―― ――ところで旦那……その御婦人が、わざわざ木曾のこの山家へ
一人旅をなされた、用事がでございまする。」 五 「ええ、その時、この....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
たれて、しきりに口をうごかしているのが、とくに船客の目をひいた。 ニーナ嬢は、
一人旅ではなかった。伯父さんだという師父ターネフと、二人づれの船旅であった。 ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
子段が途中で一段大きく蜿ってS形に昇るので三階ぐらいに高い――取着の扉を開けて、
一人旅の、三十ばかりの客が、寝衣で薄ぼんやりと顕れた。 この、半ば西洋づくりの....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ぬ。だがね、家元の弥次郎兵衛どの事も、伊勢路では、これ、同伴の喜多八にはぐれて、
一人旅のとぼとぼと、棚からぶら下った宿屋を尋ねあぐんで、泣きそうになったとあるで....
「女客」より 著者:泉鏡花
。外へといっては、それこそ田舎の芝居一つ、めったに見に出た事もないのに、はるばる
一人旅で逢いに来たんじゃありませんか、酷いよ、謹さんは。」 と美しく打怨ずる。....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、沫を避けつつ、吻と息。 濡れた帽子を階段|擬宝珠に預けて、瀬多の橋に夕暮れた
一人旅という姿で、茫然としてしばらく彳む。…… 風が出て、雨は冷々として小留む....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、大変だ。お待合わせを約束の仲|町を出た、あの大時計が雪の塔、大吹雪の峠の下に、
一人旅で消えそうに彳っていらっしゃるのが目さきに隠現くもんですから、一息に駆出す....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
あなた様お着が晩うござりましたで、かれこれ十二時。もう遅うござりますに因って、御
一人旅の事ではありまするし、さようなお方は手前どもにおいでがないと申して断りまし....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
) と吐きそうな。これがさ、峠にただ一人で遣る挙動じゃ、我ながら攫われて魔道を
一人旅の異変な体。」 「まったく……ですね。」 と三造は頷いたのである。 「な....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
里へ着いたの。いつもママと一緒に出かけて色々の事務を分担してやって来た私が今度は
一人旅だったので荷物やら切符やら食料やら仲々厄介でした。ドーヴァー海峡は少し荒れ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
べをしたお婆さんの志、その後姿も、尊いほどに偲ばれます。――折からのざんざ降で、
一人旅の山道に、雨宿りをする蔭もない。……ただ松の下で、行李を解いて、雨合羽を引....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
(日本を旅立ってからまだ三十日にもならず、船は異域に入ってしるしの物も新しい。
一人旅の身にとってもどうして多少の感慨なしといえよう。はじめて赤道より南に身をお....