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「一休み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一休みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
ぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。 す....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の樹蔭に、静々、夫人の裳が留まると、早瀬が傍から向うを見て、 「茶店があります、一休みして参りましょう。」 「あすこへですか。」 「お誂え通り、皺くちゃな赤毛布....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ら歩けばかえって体はだるい。 「おとよさん、もうわたし少しくたぶれたわ。そこらで一休みしましょうか」 お千代の暢気は果てしがない。おとよの心は一足も早く妙泉寺....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
たり波を追ったりして、各小袋に蛤は満ちた。よろこび勇んで四人はとある漁船のかげに一休みしたのであるが、思わぬ空の変わりようにてにわかに雨となった。四人は蝙蝠傘二....
河明り」より 著者:岡本かの子
挨拶した。茶の湯の作法は私たちを庭へ移した。蔵の中の南洋風の作り庭の小亭で私達は一休みした。 私は手持不沙汰を紛らすための意味だけに、そこの棕櫚の葉かげに咲い....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
那、どこへいらっしゃるんで……」 「この先まで帰るんだが、ちょっと腰が痛くなって一休みしているんだ」 と、貫一は出鱈目をいった。 「そうですかい。この辺は物騒....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の形だな。」 「いやですよ。」 「意気地はない、が、止むを得ない。お言葉に従って一休みして行こうか。ちょうどお誂え、苔滑……というと冷いが、日当りで暖い所がある....
明日」より 著者:井上紅梅
門前の石段の上に腰を卸すと、身内からにじみ出た汗のために著物が冷りと肌に触った。一休みして寶兒が睡りについたのを見て歩き出すと、また支え切れなくなった。するとた....
多神教」より 著者:泉鏡花
これこれ(中啓を挙げて、二十五座の一連に呼掛く)大分日もかげって参った。いずれも一休みさっしゃるが可いぞ。 この言葉のうち、神楽の面々、踊の手を休め、従って囃子....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
すかな空気のうずまき。首尾よく流れを逆に上り切って桃色と白のカフェ・ローポアンで一休み。そこで喰べた胡桃の飴菓子。 だが日本の通行人は急ぐように見えてもテンポ....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
きところにて立止まる。) 源右衛門『これ、忰、暫らくの間の故郷の見納め、この辺で一休みするとしようかい』 源兵衛『此の期になって、のんきらしい………。早うこの首....
百喩経」より 著者:岡本かの子
砂丘の蔭に石で蓋のしてある隠し水の在所も迷うことなく探し宛てた。太陽が中天に一休みして暑さと砂ほこりにみんなが倦み疲れる頃を見はからい彼は唄をうたった。 い....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
九十三号室の女と席を取った。女は小田島がオンフルールでイベットに別れ、夕方帰って一休みして居ると、殆ど部屋へ暴れ込んで来た。女は少し酒に酔って居る癖に腹が空いて....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
と口を利いた少いのが、続いて入りざまに、 「じゃあ、何だぜ、お前さん方――ここで一休みするかわりに、湊じゃあ、どこにも寄らねえで、すぐに、汽船だよ、船だよ。」 ....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
って、ふり返って見ると、何時しか案外高いところへ登って来ていることに気がつく。又一休みしようかなどと思う。そんな時不図傍らを見ると、背を薄黒く染めて地に低く生え....