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一先ず
「一先ず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一先ずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
十八節と馬可伝《まこでん》の第九章一節とにあると云うベリンググッドの説を挙げて、
一先ずペンを止《とど》める事にしようと思う。
(大正六年五月十日)....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
にその理想の、道義上完美にして非難すべき点の無いのを説くこと数千言。約半日にして
一先ず日暮前に立帰った。ざっと半日居たけれども、飯時を避けるなぞは、さすがに馴れ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
っている。して見れば時間の点からいって、喜多公は親分の方より嫌疑が薄くなる訳で、
一先ず彼も釈放されることになった。 警察では他に誰も容疑者として拘引しておらず....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ら警部は病気と称して引籠ってしまったのです。それで嫂の死は、自殺であると見做して
一先ず事件の幕は閉じられてしまったのです。 百合子は赤耀館にさびしい不安に充ち....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
精密なる観察を遂げた。 彼が腰を伸ばして、検事の方へ手を振ったので、彼の検屍が
一先ず終ったことが分った。 「検事さん。この先生の死んだのは大体昨夜の十一時から....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
面へ廻ったときには、或る事はもう終っていて、何の異常も存しなかった。二人はそこで
一先ずここを去ることにして、元の塀の崩れたところから外へ出た。 「あれをごらんな....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ース提督が承知する筈がない。 (X大使は、日本を後援するつもりらしい) 私は、
一先ず、そういう結論に落着いた。なぜかはしらないが、たびたび私に力を貸したり、今....
「沈没男」より 著者:海野十三
しい観物だ。これから甲板へ駈け上って、写真にうつして置こうと思う。だから原稿は、
一先ずここにて切る。 (×月×日、ハリッチ発) ハリッチ発などと書くと、余が、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
トは、完全にとけ終りたり」
怪人丸木は、それを聞いて、
「ふん、そうか。それで
一先ず片づいた。火星まで行かれてたまるものか」
と、安心した。
しかし、安心....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ず唇の戦くまで、不義ではあるが思う同士。目を見交したばかりで、かねて算した通り、
一先ず姿を隠したが、心の闇より暗かった押入の中が、こう物色の出来得るは、さては目....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
ないと、一層暑さが身にこたえるようだ。家へ帰っても今から寝るわけにも行かないが、
一先ず帰宅をしようと思って十日ぶりに我家(とは名ばかりの郊外の下宿の一室)へ首を....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
に乗込んだのであった。 結局どうやらこうやら、納まらぬなりに納まって、智栄尼は
一先ず表二階の部屋へと帰ったが、夜更けてから又離れ座敷へ、忘れ物を取りになど拵え....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
人が約束して、三方に散って、暗闇祭の中を縫い歩き、鼻切り臀切りの犯人を捕えたら、
一先ずこの大欅の根下まで連れて来るということにした。 「誰が捕えるか、眼力くらべ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
の欲しかったらしい美女に辞して、袂を分ったが、獅子の飛ぶのに足の続くわけはない。
一先ず帰宅して寝転ぼうと思ったのであるが、久能谷を離れて街道を見ると、人の瀬を造....
「米」より 著者:犬田卯
らわなければ、家が立ち行かなかった。食う口を減らすと同時に十五円の入金――それが
一先ず勇の叔父のつとめていた会社へ当人を出してやった一つの理由だったのだ。 が....