一切合切[語句情報] » 一切合切

「一切合切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一切合切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
皮膚と心」より 著者:太宰治
、また、私への優しい気兼ねもあったのでございましょう、以前の世帯《しょたい》道具一切合切、売り払い、お仕事の道具だけ持って、この築地《つきじ》の家へ引越して、そ....
女生徒」より 著者:太宰治
、それぞれ、ハムや卵や、パセリや、キャベツ、ほうれんそう、お台所に残って在るもの一切合切《いっさいがっさい》、いろとりどりに、美しく配合させて、手際《てぎわ》よ....
喝采」より 著者:太宰治
当家の女中さんが、廊下で、スイッチをひねった結果、さっと光の洪水、私の失言も何も一切合切《いっさいがっさい》ひっくるめて押し流し、まるで異った国の樹陰でぽかっと....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
出すと、今川であれ北条であれ、浅井であれ朝倉であれ、世のいわゆる武人なるものは、一切合切野蛮人なのさ」 「それはまたなぜでございますな?」今度は主水が怪訝そうに....
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
たりない所は各自の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。それで何から何まで一切合切での総勘定が三百円で立派にこの仕事は出来上がるというのでありました。 「....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
田病院の資産に対する色目、それもカングラレているようである。そんなことの言い訳は一切合切やらないのである。 そして言い訳の代りに、ヤス子を口説くのもいきなり露....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、雨戸をあけると、誰にも見られず裏木戸へ抜けられます。荒巻さんは帽子も靴も荷物も一切合切この離れへ持ちこんで、イザと云えば逃げだす用意をととのえて、おやすみにな....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
、今日呼び出しを掛けたところ、恋人が昨日屋敷を出たきり、今に帰って来ないこと――一切合切打ち明けた。 左伝次は黙って聞いていたが、その顔には曖昧な、混乱したも....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
ってるぜ! ……『秘密の鍵は第三の壁』……何だか些少も解らねえ……何でもいいや、一切合切、みんな姐ごに話してやろう」 こんなことを口の中で呟きながら、風船売の....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
。 「なぜ苦情が来ねえのだろうな」 とS君は考えた。どんな風に使われているのか一切合切わからないのだから、来るべき苦情が来ないのも心細さのタネになるらしい。 ....
」より 著者:高村光太郎
くら化けたつもりでも化ければ化けるほど、うまく化けたという事が見えるだけである。一切合切投げ出してしまうのが一番だ。それが一番美しい。顔ほど微妙事もあるが、真に....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
足りない所は各自の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。それで何から何まで一切合切での総勘定が三百円で立派にこの仕事は出来上がるというのでありました。 「....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
ジャックの忍び込みからメルジイ夫人との同盟、ビクトワールの室に寝泊りしていた事、一切合切を知っていた。 『何と云われてもルパンは肩一ツ動かさない。彼は静かにシャ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
り着きましたが、まったく私にはもう、窈窕も凜々しさもお侠も淑やかさも何もかもが、一切合切区別つかなくなってしまいました。 ともかく二人|揃っているばかりに、辛....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
べさせるのか、いったい。」 「へええ、差し上げますには差し上げますですがな。もう一切合切種切れで、肴も附け合せも何にもありゃしねえでがす。」 「それでも百五十人....