一切衆生[語句情報] » 一切衆生

「一切衆生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一切衆生の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
《いちばんどり》も鳴かないのに、こっそり床をぬけ出して、酒臭い唇《くちびる》に、一切衆生《いっさいしゅじょう》皆成仏道《かいじょうぶつどう》の妙経を読誦しようと....
十二支考」より 著者:南方熊楠
かの餓虎を救い舎利骨のみ余《のこ》されん、わが父母後日必ず舎利を収めて塔を建て、一切衆生の病《やまい》諸薬針灸癒す能わざる者来りてわが塔を至心供養せば、即日必ず....
こころ」より 著者:夏目漱石
サベラなになに》の墓だの、神僕《しんぼく》ロギンの墓だのという傍《かたわら》に、一切衆生悉有仏生《いっさいしゅじょうしつうぶっしょう》と書いた塔婆《とうば》など....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
しい而して真実な俚伝である。此世は賽の河原である。大御親の膝下から此世にやられた一切衆生は、皆賽の河原の子供である。子供は皆小石を積んで日を過す。ピラミッドを積....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、仏|言《のたま》わく波羅夷〉と出で(『四分律』五五)、誠に一休和尚が詠んだ通り一切衆生迷途の所、十方諸仏出身門だ。一九一四年八月英国皇立人類学会発行の『マン』....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
争のために葛藤を捲き起された次第ではございませんで、功徳の如法性を普《あまね》く一切衆生界に回向《えこう》せられんがための思召《おぼしめ》しで馬鳴菩薩がお作りに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いやってしまう。 狗児《くじ》にも仏性《ぶっしょう》ありというのだから、老猫も一切衆生《いっさいしゅじょう》の中の一物ではある。 その証拠には、さしも柔媚《....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
ようなもので、磨いたり、練ったりしなくては本当の光沢は出ないものである。仏教では一切衆生悉有仏性といって、人間でも、畜生でも、生きているものはみな仏になるべき性....
南国太平記」より 著者:直木三十五
さ》に、縛字を一切の身分に遍して、その毛孔中より甘露を放流し、十方に周遍し、以て一切衆生の身に灑《そそ》がん。乞い願くば、この老体を生犠とし、その因を以て、能く....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
方法をも執るべしである。ただラサに行くべき事のみをもって目的とすべきものでない。一切衆生済度の目的が信実であるならばネパールに帰らねばならんのである」という。 ....
法然行伝」より 著者:中里介山
一段に道綽禅師《どうしゃくぜんじ》が聖道浄土の二門を樹てて、聖道門に帰するの文、一切衆生に皆仏性があるというのに今に至る迄生死に輪廻《りんね》して救われないのは....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いる点はここです。 私たちは誰でも、人格完成の種子を、生れながらに持っている(一切衆生ことごとく仏性あり〔涅槃経〕)と仏教は説くのであります。人格完成と言って....
私本太平記」より 著者:吉川英治
とした。仁王経の一端がひらかれていて、 無死無生 の四字が眸にとびこむ。――一切衆生ハ無生ノ中ニ於テ、妄リニ生滅ヲ見テ惑ス――語の余韻がお胸の底に重たく沈む....