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一包み
「一包み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一包みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
て憎い奴じゃな。よいよい、何用じゃ」 「実は今朝ほど、御門内にいぶかしい笹折りが
一包み投げ入れてでござりましたゆえ、早速一見いたしましたところ、品物は大きな生鯛....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
して、そう思うことさえ憚られた。 とにかく、多少の価うちがありそうな物はすべて
一包みにして、僕はやとい車に乗った。質屋をさして車を駆けらしたのである。 友人....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
治まり、その翌日はなんともありませんでした。あなたは二十九日の発病を防ぐために、
一包みの散薬を与えて、午前十時ごろ飲むようにと、その朝わざわざ書生を奥田家に遣わ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
あるは夕暮れの田舎道に、あるは停車場までの乗合馬車に、あるは楢林の間の野の路に、
一包みの荷物をかかえて急いで国事におもむく姿がぞくぞくとして見られた。南埼玉の一....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
子は出て行ったが、間もなくタキシイにでも載せて来たものらしく、息をはずませながら
一包みの衣裳を小女と二人で運びこんで来た。派手な晴着や帯や長襦袢がそこへ拡げられ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
のが自分には苦しかった。 昼からお庄は、汚れた病人の寝衣や下の帯のようなものを
一包み蹴込みに入れて家に帰って行った。 叔母はまた家のことをいろいろ頼んだ。 ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
織と、兀頭をちらちらさして、ひそひそと相談をしていましたっけ。 当日は、小僧に
一包み衣類を背負わして――損料です。黒絽の五つ紋に、おなじく鉄無地のべんべらもの....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
くという、使いがらもって来いの人物。 これが、例の戸棚掛の白布を、直ぐに使って
一包み、昨夜の一刀を上に載せて、も一つ白布で本包みにしたのを、薄々沙汰は知ってい....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
彼はにっこり頷いて礼を言い、あの赤色のチンキを数滴、分量をはかって入れ、それに
一包みの散薬を加えた。最初は赤味を帯びた色であったこの混合物は、結晶塩が溶けるに....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
…… こう云う僕を救うものは唯眠りのあるだけだった。しかし催眠剤はいつの間にか
一包みも残らずになくなっていた。僕は到底眠らずに苦しみつづけるのに堪えなかった。....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
山の金をつんで御足労な。アヘンがあるなら、持ってこい。買ってやるから。一山でも、
一包みでも、持ってきたら、買ってやらア。才蔵め、ドジな取引に首を突っこみやがる。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のか」 「いいえ、これと一しょにタンスへ入れておいたのよ。その中のものをそッくり
一包みにしたから、この中にある筈だと思うんだけど」 「じゃア目で確めてみなかった....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ですが、早合点と判明したのはその二ツだけですよ。バラバラにしながら二ツ合わせて、
一包みにするなんて筋道が立たないから、そこにワケがありそうだ、という疑いがあって....
「屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
、人が死んだぐらいで、こう歎きは致しません。去年の元旦に妹が年賀に参りまして、銀
一包みお年玉にくれましたが、あまりの嬉しさに神ダナにあげて拝んでおりましたのを、....
「金銀小判」より 著者:小川未明
暗いちょうちんをさげていました。 「おおかわいそうに。」と思って、幸作は、小判の
一包みを買ってやりました。 子供は、幾たびもお礼をいって出ていきました。幸作は....