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一升瓶
「一升瓶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一升瓶の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二月八日」より 著者:太宰治
て一緒に帰った。それからお隣りの組長さんの玄関で、酒の九等分がはじまった。九本の
一升瓶をずらりと一列に並べて、よくよく分量を見較べ、同じ高さずつ分け合うのである....
「フォスフォレッスセンス」より 著者:太宰治
、と私は言い、亭主から日本酒を一升売ってもらって、私たち二人は何のあてどもなく、
一升瓶《いっしょうびん》をさげて初夏の郊外を歩き廻った。 ふと、思いついて、あ....
「酒の追憶」より 著者:太宰治
った。酒の誘惑はおそろしいものである。細君が、お酒の「五ん合」くらいはいっている
一升瓶を持って来た。 「お燗《かん》をつけなくていいんですか?」 「かまわないだ....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
。外は夕闇。 国民学校教師、野中弥一、酔歩蹣跚の姿で、下手より、庭へ登場。右手に
一升瓶、すでに半分飲んで、残りの半分を持参という形。左手には、大きい平目二まい縄....
「野狐」より 著者:田中英光
勤め先に出かけたに違いない。 それで私は、ひとり多分、社長から貰ったに違いない
一升瓶を抱え、本郷から自動車をとばし銀座に出た。彼女の勤め先は、西銀座の「うらら....
「街」より 著者:宮本百合子
にパンや、腸詰、イクラを盛った皿が出ていた。底にぽっちり葡萄酒の入っている醤油の
一升瓶がじかに傍の畳へ置いてある。ルイコフが、彼のマンドリンと一緒に下げて来たも....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
で、けさは仕事しなければならぬので早く起きて、台所へ顔を洗いに行き、ふと見ると、
一升瓶が四本からになっている。二日で四升呑んだわけである。勿論、私ひとりで四升呑....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
橋のところで、わたしは休んだ。疲れたわけではないが、牛乳の
一升瓶をぶらさげてる、その瓶容れの藁編みの紐が、掌にくい入って痛かった。どうせ急....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
、火鉢、其他一通りの器具が、ごっちゃに雑居している。おれと彼女は、電熱器のそばに
一升瓶をひきつけ、飲みながら夜明けを待った。待つうちに酔いつぶれた。何かしらもう....
「骨仏」より 著者:久生十蘭
がらなにかぶつぶついっていたが、そのうちに厨《くりや》へ行って、昨日飲みのこした
一升瓶をさげてくると、枕元へあぐらをかき、調子をつけてぐいぐいやりだした。 那....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
な妻の顔を見ていると、なかなか死というものの実感は迫らなかった。私は立ち上って、
一升瓶を提げてきて、コップに注いで飲んだ。続けて二杯三杯と飲んだ。 不意に、思....
「春心」より 著者:田中貢太郎
」 「いらない、瓶子と茶碗を執れ」 年老った婢はさからわなかった。年老った婢は
一升瓶子と湯呑茶碗を持って往った。 「これでいいのですか」 「いい」 広巳は上....
「面白味」より 著者:中谷宇吉郎
込む。そして酒と醤油《しょうゆ》だけで煮附ける。それだけのことである。醤油など、
一升瓶《いっしょうびん》からドクドクと注ぎ込むので、大分過剰にはいったらしい。 ....