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「一反〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一反の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
橋の欄干《らんかん》が、仲秋のかすかな夕明りを揺《ゆらめ》かしている川波の空に、一反《ひとそ》り反《そ》った一文字を黒々とひき渡して、その上を通る車馬の影が、早....
或る女」より 著者:有島武郎
なる。船でもが浸水し始めたら埒《らち》はあかんからな。……したが、おれはまだもう一反《ひとそ》り反《そ》ってみてくれる。死んだ気になって、やれん事は一つもないか....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
むずかしい言葉で昨夜の契約書の内容をいい聞かし初めた。小作料は三年ごとに書換えの一反歩二円二十銭である事、滞納には年二割五分の利子を付する事、村税は小作に割宛て....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
橋は自分の姉になるものとお光も思っていた。粗末ではあるが春着にでもと送ってくれた一反《いったん》の山繭《やままゆ》が、丁度お目見得の晴着となったのであった。いく....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
発な論議を行ったところもある。但し教授の説に敬意と賛意を表する学者たちが、十分の一反対し、或いは疑問を持つ者たちが十分の七興味ありとして、賛否を述べないものが十....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う観世物は大抵景品付きです。無事に裏木戸まで通り抜けたものには、景品として浴衣地一反をくれるとか、手拭二本をくれるとか云うことになっているので、慾が手伝ってはい....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ている。 ▲交通の便利の恩恵を受けるのは市の附近の農民で、ツイ十五六年前までは一反いくらという田や畑が宅地となって毎年五六割ずつ騰貴する。甚だしきは一時に二倍....
転機」より 著者:伊藤野枝
ら足跡を拾って、ようようのことで蘆間の畑に働いている人の姿をさがし出した。そこは一反歩くらいな広い畑で、四五人の人が麦を播いていたのだ。私達がS青年の家への道を....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、……血色うつくしき、肌理細かなる婦人である。 「銭ではないよ、みんな裸になれば一反ずつ遣る。」 価を問われた時、杢若が蜘蛛の巣を指して、そう言ったからであっ....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
はそれを見て吹き出して、「お母あさんも皆も御覧よ。クサカが芸をするよ。クサカもう一反やって御覧。それでいい、それでいい」といった。 人々は馳せ集ってこれを見て....
錦紗」より 著者:犬田卯
して、「ばかな、俺ら今年は裸体で田植だ」なんて罵ったくせに、あとでは二反買うのか一反でいいのかなどと聞いていたくらいであったが、でも、お通へは一銭だって出すまい....
」より 著者:犬田卯
ている森平という一小作農であった。彼が最近、村の産業組合からたった一枚残っていた一反五畝歩の畑を「執行かけられ」取り上げられてしまったことは誰一人知らぬものはな....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
った。 十九 山陰の窪地に水が溜っている、不規則な楕円形の、広さは一反歩もあろう、雑木林に囲まれて水の色は青い。湯島のお吉さんは凄い池ですといった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
十重に入り混り、また時間的にも無限の昔から無限の未来に連絡しているのであります。一反の稲を作るのさえ、その籾の選定からしていろいろの知識経験が必要であります。こ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
でいた。だがいいじいさんだが、気の小さい父は中学へ三十銭の月謝を出すより、田地の一反でもほしい性格だった。ちょっとやけ気分になっていたころ、私が全く予期しなかっ....