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一口噺
「一口噺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一口噺の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
だの、純潔だの、素直だの、もうそんなこと聞きたくない。書け。落語《らくご》でも、
一口噺《ひとくちばなし》でもいい。書かないのは、例外なく怠惰である。おろかな、お....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
「笑い本」と大字で書いてある。これはその頃絵草紙屋にあっただまし物である。中には
一口噺《ひとくちばなし》か何かを書いて、わざと秘密らしく帯封をして、かの可笑しな....
「明暗」より 著者:夏目漱石
むと、自分で自分の立場が分らなくなるだけであった。
「愛と虚偽」
自分の読んだ
一口噺《ひとくちばなし》からこの二字を暗示された彼は、二つのものの関係をどう説明....
「六月」より 著者:相馬泰三
日酒に酔いて川に落ち、そのままみまかりにけり。か、そのとおり、そのとおり。まるで
一口噺だね。……二人は酒をくみかわし、酔うて別れた。そしてその後ついに相会う機会....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
はイヴァン・ペトローヴィチが持芸を披露におよぶ番だった。彼は眼だけで笑いながら、
一口噺をやったり洒落を飛ばしたり、滑稽な謎々を出して手ずから解いて見せたりした。....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
琴線《きんせん》に触れて、涙《なみだ》の源泉を突くことがある。老嫗《ろうおう》の
一口噺《ひとくちばなし》が一生涯の基《もとい》を固《かた》めたり、おのれながらな....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
おかない種類では、雑俳《ざっぱい》に、川柳《せんりゅう》に、軽口《かるくち》に、
一口噺《ひとくちばなし》に逃《のが》しはしなかった。昔の瓦版《かわらばん》の読売....
「黒船前後」より 著者:服部之総
いあいだ、水に沈む代物で船が造れるもんかという意見が支配していた。いまだからこそ
一口噺《ひとくちばなし》にでもありそうな気がするのだが、十九世紀十年代のはなしと....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
ニャックをいくら飲んでも酔っぱらいもせず、だらだらした面白くもない調子で、陳腐な
一口噺を並べ立てるのであった。家に居ると、朝から晩まで何やら厚ぼったい雑誌に読み....