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一合
「一合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
禁じられるが、殊勝らしく、赤い顔をしずにいるのはほんのその当座だけで、いつでも「
一合位は」からだんだん枡数《ますかず》がふえて、半月とたたない中に、いつの間にか....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
すまない。」
「べらぼうめ! すむもすまねえもあるものか! 酒保《しゅほ》の酒を
一合買うのでも、敬礼だけでは売りはしめえ。」
田口一等卒は口を噤《つぐ》んだ。....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
価がその時|金《きん》八十銭と、覚えている。 七 親父はその晩、
一合の酒も飲まないで、燈火《ともしび》の赤黒い、火屋《ほや》の亀裂《ひび》に紙を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
した。さあ、すぐにお出でなせえ」 「お前、どっかへ行くんじゃあねえか」 「寝酒を
一合買いに行こうと思ったんだが、まあ止《よ》しだ」 「酒はおれが買う。遠慮なく行....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の送別会が仲町の何とかという料理屋の広間で開かれた。校長は大酒家だった。みんなに
一合ばかりの酒がついた。校長は初めから終りまでその四角な顔をにこにこさせていた。....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
で渡し場へ出て、倦まず怠らずに野村彦右衛門の名を呼びつづけていた。 平助は毎晩
一合の寝酒で正体もなく寝入ってしまうので、夜半のことはちっとも知らなかったが、あ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
つて幸徳は、この病監にはいって、ある看守を買収して、毎朝『万朝報』を読んで、毎晩
一合か二合かの晩酌をやっていたそうだ。 僕ももし酒が飲めれば、葡萄酒かブランデ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、内端に片膝を上げながら、床几の上に素足の胡坐。 ト裾を一つ掻込んで、 「早速
一合、酒は良いのを。」 「ええ、もう飛切りのをおつけ申しますよ。」と女房は土間を....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ながら多少驚かれもするが、さりとてどこと言ってからだに異状があるのでもない。一食
一合七勺の飯を一粒も残さず平らげて、もう一杯欲しいなあと思っているくらいだ。要す....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
。時に旦那はお酒をあがりますかえ。 十右衛 飲むというほどでもございません、まあ
一合上戸ぐらいのことでございます。 半七 お飲みなされば丁度いい。生憎かかあがい....
「山吹」より 著者:泉鏡花
。……もの惜みをするようで可厭だから、ままよ、いくらでも飲みなさい。だが、いまの
一合たっぷりを、もう一息にやったのかい。 人形使 これまでは雪見酒だで、五合一寸....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
のじんじん端折で、喞筒の手につかまって、空腹で喘ぎながら、油揚のお煮染で、お余を
一合戴きたいが精充満だ。それでも火事にゃ火事ですぜ。ね、おかみさん、だからどうに....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
にしたそうな鉄鎚など、道具を懐にして、そこで膳にはついたんだそうですけれど、御酒
一合が、それも三日め五日めの貧の楽みの、その杯にも咽せるんですもの。猪口に二つか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
アマゾン地方に至らば、さらに四倍の高価を命ず。鶏卵一個四十銭、鶏一羽十二円、牛乳
一合六十銭、靴一足三十円というにいたりては、なにびとも驚かざるなし。したがって収....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
約三百年の間に九回の噴火をしている。その度に大小の災害はあって、ひどいのは須走口
一合目に在る小富士を噴出させたり、精進湖と西湖は、もと一つの湖であったのを山から....