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一周忌
「一周忌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一周忌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来た。歌女寿の家の前にはだんだんに人立ちが多くなっていた。 「ちょうど若い師匠の
一周忌ですからね」 「きっとこんなことになるだろうと思っていましたよ。恐ろしいも....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
のうちで一両だけを渡して貰いたいと云いました。なんにするのだと聞くと、おふくろの
一周忌がもう近づいたから、お長屋の人にたのんで石塔をこしらえて貰うのだという返事....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
の身とはなり果てつ、知れる人の嫁入れ、婿|娶れと要らざる世話を懊悩く思いて、母の
一周忌の終るとともに金沢の家を引払い、去年よりここに移りたるなり。もとより巨額の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
二)がある。共に切実な歌である。二一一の第三句は、「照らせれど」とも訓んでいる。
一周忌の歌だろうという説もあるが、必ずしもそう厳重に穿鑿せずとも、今秋の清い月を....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
呼んでいたわけなんです。そのこてちゃんがちょうど去年の今頃に死んで、あしたがその
一周忌の御命日にあたるというので、今もその噂が出たんですよ。」 この話をしてい....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
でなければ、まことの文学は、書ける筈がない。 今年の一月何日だか、織田作之助の
一周忌に酒をのんだとき、織田夫人が二時間ほど、おくれて来た。その時までに一座は大....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
情けないことを仰有いますね。私は千頭津右衛門の妻ではございませんか。主人が死んで
一周忌もすまぬのに、三十五日、四十九日の法要もつとめずに、どうしてこの家がうごか....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
もいら立しいとも、何ともいいようのない忍苦の一年は過ぎた。 恩師笠神博士夫妻の
一周忌を迎えて、ここに公然と博士の遺書を発表することを許され、私は長い間の心の重....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
になってしまったので、源兵衛も内々注意していると、七月の盂蘭盆前、あたかもお杉が
一周忌の当日に、かれは激しく狂い出した。 「黒ん坊。娘のかたきを取ってやるから、....
「屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
ぼしていられるところ。 「ああ月日のたつのは、ほんとに夢のようだこと。明日はもう
一周忌になるが、ほんとに惜しいことをしました」 妙庵先生これを耳にとめてフシギ....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
その絵はその後誰に貸したものか貸し忘れて残っていないのは残念です。 楳嶺先生の
一周忌でしたか三周忌でしたか、御苑内で遺作と一緒に弟子孫弟子の作品を並べたことが....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
……化払子に尾が生えつつ、宙を飛んで追駈けたと言わねばならない。母のなくなった、
一周忌の年であった。 父は児の手の化ものを見ると青くなって震えた。小遣銭をなま....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
弟たちといっしょに暮すことになったのだが、ようよう半年余り過されただけで、義母の
一周忌も待たず骨になって送られることになったのだった。実の母が死んですぐその年に....
「四つの都」より 著者:織田作之助
はたれの力も借りたくなかったの。私はたゞ兄の戦死した土地で働きたい一心なの。兄の
一周忌も、もう明後日ですわ」(眼がうるむ) 十吉、眼をぎょろ/\させている。 初....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
えられて、世間を騒がしたが、結局自殺と確定された。 自殺に撰んだ日が亡き夫人の
一周忌にあたり、しかも夫人の写真を懐に抱いていたというので、私は最初から自殺説を....