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「一夕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一夕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
会ったのは、京城から帰って間もなく、彼の大川端《おおかわばた》の屋敷へ招かれて、一夕の饗応《きょうおう》に預った時の事です。聞けば細君はかれこれ三浦と同年配だっ....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
際の人生は苦しんでるのが常であるとはいかなる訳か。 五十に近い身で、少年少女|一夕の癡談を真面目に回顧している今の境遇で、これをどう考えたらば、ここに幸福の光....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いように、身にさし迫った苦しき問題に悩みつつあった二人が、その悩みを忘れてここに一夕の緩和を得た。嵐を免れて港に入りし船のごとく、激つ早瀬の水が、僅かなる岩間の....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
見に来てくれろと言っておいたら、ついでがあったからと言って出て来てくれた。吉弥を一夕友人に紹介したが、もう、その時は僕が深入りし過ぎていて、女優問題を相談するよ....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
なしと誇るまでに、蝦蟇の多き処なるが、乞食僧は巧にこれを漁りて引裂き啖うに、約ね一夕十数疋を以て足れりとせり。 されば乞食僧は、昼間|何処にか潜伏して、絶えて....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
る因果の理法の現れで、金は飽まで金、鉛は最後まで鉛である。魂の品質は、決して一朝一夕の所産でない。そは霊性の中に織り込まれたる綾であり、模様であり、両者を切り離....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
りました。しかし父は変人ですし、それに水戸の藩から出た武士|気質は、なかなか一朝一夕にぬけないで、新門のいう話なぞはまるで初めから取合わず、この興行の仕舞まで渡....
妖怪学」より 著者:井上円了
至る。古来、その例証に乏しからず。今、一、二を挙ぐれば左のごとし。 ある貴人が一夕、兵隊となりたる夢を見、たまたま砲声を発するを聞きて驚きさむれば、そのとき隣....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
起こる事柄を、夢によって卜し得るということである。けだし、その理由に至りては一朝一夕に解し得べきことにてはありませんが、よく世間で、夢に見たとおりのことが千里も....
妖怪談」より 著者:井上円了
だ困難のこと(話せぬわけではないが、心のもとからして話さねばなりませぬから、一朝一夕のことにはまいりませぬ)であります。なお、幽霊を話すには足りませぬ。どうして....
妖怪報告」より 著者:井上円了
の事実を報告せんとす。西洋の心理書に引用する二、三の例を挙ぐるに、 ○ある貴人が一夕、兵隊となりたる夢を見、たまたま砲声の発するを聞きて驚きさむれば、そのとき隣....
迷信解」より 著者:井上円了
三に及びたれば、そのことついに親戚の耳に入り、その顛末の疑わしきところあるを見、一夕その正体を発見せんと欲し、二、三人相誘いてその家の一隅に潜み、怪物の来たるを....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
発兌の『明教新誌』上に、三田某氏の寄せられたる一書あり。その中に曰く、 小生、一夕某氏の宅を訪いしに、老幼男女相集まり、コックリ様の遊戯をなすを目撃せり。その....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して人民の教導をひとりヤソ教者に委するも、世間の神仏二教を信ずるもの、決して一朝一夕に改宗転派するものにあらず。その改宗転派の日を待ちて、はじめて人民の知識を進....
西航日録」より 著者:井上円了
人のほろぼすところとなり、いささか感慨にたえず。よって、また詩をもって懐を述ぶ。一夕枕頭思万端、苦眠不是客身単、山河所過皆亡国、志士何勝唇歯寒。 (今夜のまくら....