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一大事
「一大事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一大事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
じゃ。おぬしにはあのため息が聞えぬかいの。」と、今度は両手を耳へ当てながら、さも
一大事らしく囁いたと云うのです。新蔵は我知らず堅くなって、じっと耳を澄ませました....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
れを自分の小屋に運ばして置いて、賭場《とば》に出かけた。
競馬の日の晩に村では
一大事が起った。その晩おそくまで笠井の娘は松川の所に帰って来なかった。こんな晩に....
「弓町より」より 著者:石川啄木
しいものにしようということに熱心なるあまり、自己および自己の生活を改善するという
一大事を閑却してはいないか。換言すれば、諸君のかつて排斥《はいせき》したところの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ええ、」とばかりで、お妙は俯向いて、瞬きしつつ、流眄をするのであった。 「別に、
一大事に関して早瀬は父様の許へ、頃日に参った事はないですかね。或は何か貴娘、聞い....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
下に顔も合わされません。進級の遅れるのも覚悟しております。」 「進級の遅れるのは
一大事だ。それよりそこに起立していろ。」 甲板士官はこう言った後、気軽にまた甲....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
どという言葉に。 三七 日本海海戦 僕らは皆日本海海戦の勝敗を日本の
一大事と信じていた。が、「今日晴朗なれども浪高し」の号外は出ても、勝敗は容易にわ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
も、地※を踏んでなりと直ぐに生徒を帰したい。が、何でもない事のようで、これがまた
一大事だ。いやしくも父兄が信頼して、子弟の教育を委ねる学校の分として、婦、小児や....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
る恐るこれを拾う。 修理 南無三宝。 九平 殿様の首だ。播磨守|様御首だ。 修理
一大事とも言いようなし。御同役、お互に首はあるか。 九平 可恐い魔ものだ。うかう....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
はいはい。」 と柔順だっけ。 小用をたして帰ると、もの陰から、目を円くして、
一大事そうに、 「あの、旦那様。」 「何だい。」 「照焼にせいという、お誂ですが....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
うな手落になりましても相成らぬ儀と、お伺いに罷出ましてござりまする。」 番頭は
一大事のごとく、固くなって、御意を得ると、夫人は何事もない風情、 「まあ、何とお....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
またハッと思いましたよ。お銭を落したのが先方へ聞えやしまいかと思って。 何でも
一大事のように返した剰銭なんですもの、落したのを知っては追っかけて来かねやしませ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
るされました。けれど、うわおいぐつは、それなり病院にのこっていました。 四
一大事 朗読会の番組 世にもめずらしい旅 コペンハーゲンに生まれたものなら、た....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
何、頼まれる方では造作のないこと、本人に取っては何かしら、様子の分らぬ廓のこと、
一大事ででもあるようだから、直にことづかった品物があるんです。 ただ渡せば可い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
誘い行きしを聞澄まし、縁の下よりぬっと出で蚊を払いつつ渋面つくり、下枝ならむには
一大事、とくと見届けてせむ様あり、と裏手の方の墓原へ潜に忍び行きたりける。 座....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
式化し、ある軍事学者は歩兵の歩度を一分間に七十五歩とすべきや七十六歩とすべきやを
一大事として研究し「高地が大隊を防御するや。大隊が高地を防御するや」は当時重大な....