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「一子相伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一子相伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
をのめらした手並みから察するに、おそらく下手人は今いった三人のうちのどやつかから一子相伝の奥義皆伝でもうけた娘か妹か、いずれにしても身寄りの者にちげえねえんだ。....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
躋寿館の講座をもこの人が継承した。 初め独美は曼公の遺法を尊重する余に、これを一子相伝に止め、他人に授くることを拒んだ。然るに大阪にいた時、人が諫めていうには....
文学上の復古的提唱に対して」より 著者:宮本百合子
な比喩で書きあらわしたものと思える。ところで、剣道の流派というものも、能楽も昔は一子相伝的で、特に刀鍛冶など、急所である湯加減を見ようと手など入れればその手を斬....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
結果のよいと思れる方法を述べたいと思います。即ち私のガラス絵描法というのは決して一子相伝法の秘法ではありません。自分勝手な、便利な方法に過ぎないのでありますから....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
交って私の心をときめかすだけの役には立ったと思う。 なお、私の家は、先祖代々|一子相伝である花柳病専門薬を製造していた。天水香というのは自家製の膏薬の名であり....
安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
義書があり、虎の巻、獅子の巻、竜の巻、象の巻、犬の巻なぞと名がついていて、これは一子相伝で、高弟といえども見ることのできなかったものであった。この巻物の中には非....
南国太平記」より 著者:直木三十五
如何なる凡夫と雖も、これに通じ得、学習することができるらしいが、わしらは、それを一子相伝、家門不出の秘伝として伝えてきた。そして、兵道の秘伝以上の異国の不可思議....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
、それから益々研究心を起こして、実地をお鉄に就いて学んだので有った。 「これでも一子相伝ですが、貴郎にですから伝授しましょう。併し昼間はどんな事が有っても授けら....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
る様なことであってみれば、どこまでもこれを子孫に相続させたくなる。ここにおいてか一子相伝とかいう様なことが始まり、はてはただ一子のみならず、一切の子孫がすべてこ....