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一寸した
「一寸した〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一寸したの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
は草履ばきで歩くみじめさからやっと救われた想いで、ジープに乗った。そして、そんな
一寸した騒ぎのおかげで、到頭交番所の中にいる京吉には気がつかなかった。 しかし....
「鮨」より 著者:岡本かの子
、一家の職にも、栄達にも気が進まなかった。二度目の妻が死んで、五十近くなった時、
一寸した投機でかなり儲け、一生独りの生活には事かかない見極めのついたのを機に職業....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
簡単にすみました。唯、笛吹川画伯の臨終を見ていたものは、兄だけだったというので、
一寸した訊問が尾形警部の手で行われました。 「貴方の外に画伯の臨終を見た人はあり....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
の間ブラ下げて疾走ると言う訳なんです。二人は早速それを実行に移しました。 この
一寸した催しは、間もなく同じ職場の仲間達の間に俄然いい反響を惹起しました。そして....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
た声で、 「おい君、変なことを訊くがね……二階の東室の窓から、三十|間程向うに、
一寸した木立が見えるだろう?」 「はい」 と安吉老人は恐る恐る答えた。 する....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
処がまた追々日がたつに従って私は赫子がやはりありきたりの女性の誰でもと同じように
一寸した言葉の間の負けず気や周囲の同性の身なりのほんのつまらない動静にまで皮肉や....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
誰れか誤って機械油をぶちまけて了った、と言う様な事はなかったでしょうか? ほんの
一寸した事でいいんですが――』 喬介の突拍子もない細かな質問を受けて、若い技師....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
たのだ。 それは蒸しかえるような真夏の或る日曜日のことだった。午後の二時半に、
一寸した要件で国元への手紙を書き終えた雄太郎君は、恰度この時刻にきまっていつもの....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
、自働車、何れもあまり感心するものはない。 しかし、さういふ不愉快な町中でも、
一寸した硝子窓の光とか、建物の軒蛇腹の影とかに、美しい感じを見出すことが、まあ、....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
片盤では、突当りの坑道にあった。そこは片盤坑道の終点になっていて、そこには穴倉や
一寸した広場もあった。広場には野蛮な便所もあった。坑夫達は口が渇くと、勝手にそこ....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
スの眼差しの中に、彼は質間と哀願と慈愛を見るようになった。二人は挨拶を交わした。
一寸した立話をした。それはジョーンが引越して暫くしてからの事であった。それから二....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
」 「杉淵の清五郎の姉娘だ」 「えツ――清五郎」 隣村の杉淵の清五郎と言えば、
一寸した旧家で源治などよりも余計に田をつくつている裕福な家であつた。しかもその姉....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
の恋愛が、丁度自分の身を包んでいる皮のようなものでございました。もしその皮の上に
一寸した染が出来るとか、
一寸した創が付くとかしますと、わたくしはどんなにしてでも....
「雨」より 著者:織田作之助
の頃流行していた唄からの思いつきで、豹一は、その夕方、簡単に紀代子に接吻をした。
一寸した自尊心の満足があったが、紀代子が拒みもせずに、彼の背中にまわした手に力を....
「俗臭」より 著者:織田作之助
振りを畏敬していたので、諾々として利子を払ったが、その利子のことで伝三郎の家庭で
一寸したいざこざが起ったことがある。伝三郎はその時ひどく妻を折檻した。 「おん者....