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「一巡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一巡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の辺に、三対一の比率が出ていると思う」 「成程ねエ――」 三人三様の議論が丁度一巡したところへ、後の扉がコツコツと鳴って、三等水兵の、真紅な顔が現れた。 「紙....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
「園長は午前中なにをしていられたのです」 「八時半に出勤せられると、直ぐに園内を一巡せられますが、先ず一時間|懸ります。それから十一時前ぐらい迄は事務を執って、....
蠅男」より 著者:海野十三
にしても、たいへんな頑張り方だった。 村松と帆村は、監視隊の間を縫って警戒線を一巡した。なるほど、映画に出てくる国定忠治の捕物を思わせるような大規模のものだっ....
金属人間」より 著者:海野十三
になって、頭を振っている者もあった。 博士は、係官を手まねきして、陳列棚の前を一巡《いちじゅん》した。 陳列棚のうちそのドアが開かれて、壁の中におし入れてあ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
を語っていた。その先を建物についてなおも廻っていると、元の玄関の前へ出た。これで一巡したのである。三四丁もある遠道をしたような気がした。雑草が足をしばしば奪った....
薬草取」より 著者:泉鏡花
牛車の天女、湯宿の月、山路の利鎌、賊の住家、戸室口の別を繰返して語りつつ、やがて一巡した時、花籠は美しく満たされたのである。 すると籠は、花ながら花の中に埋も....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
状になっていて、手前に欄干があり、前が厚い硝子張の横に長い窓になっていた。通路を一巡すれば、上下相当の視角にわたって四方八方が見渡せるのであった。 部屋の中央....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
の気もなしに一人|経机に対っていた。 はじめ、薬師堂に詣でて、それから宝物庫を一巡すると、ここの番人のお小僧が鍵を手にして、一条、道を隔てた丘の上に導く。……....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
せてから――買ものに出た時とは反対の方に――そぞろ歩行でぶらりと出て、温泉の廓を一巡り、店さきのきらびやかな九谷焼、奥深く彩った漆器店。両側の商店が、やがて片側....
多神教」より 著者:泉鏡花
不届ばかりではござりませぬ、貴女様御祭礼の前日夕、お厩の蘆毛を猿が曳いて、里方を一巡いたしますると、それがそのままに風雨順調、五穀|成就、百難|皆除の御神符とな....
余齢初旅」より 著者:上村松園
界の外なぞもみてまわった。 上海素描 上海というところをずっと一巡したあとの印象はどう表現したらいいのであろう。とにかくとても賑やかなところで....
楠公夫人」より 著者:上村松園
人のみ姿を心の中で描いてみた。 スケッチがすむと私は夫人ゆかりの観心寺その他を一巡して往時を偲んだ。 もう一年にもなるが、私の楠公夫人はまだ下絵を描くところ....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
とどめかね、また漂然としてさらに西し、かつては美術取調委員の班に列して浜尾氏らと一巡したヨーロッパの一部を再遊した上で、翌年の秋のなかばに兄は帰朝した。このイン....
西航日録」より 著者:井上円了
夜半なり。翌朝八時小汽船に駕し、黄浦をさかのぼりてシャンハイに上陸し、城内城外を一巡し、湖心亭茶園・愚園等を遊覧す。城外の市街はその広大なる、神戸、横浜の比にあ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に市街の諸店を通覧し、つぎに五百羅漢、道教寺院、仏教寺院、陳氏祖廟、富豪墓所等を一巡し、丘上なる鎮海楼(五層楼)上にのぼりて休憩し、小餐を喫す。楼上にありて一望....