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一心不乱
「一心不乱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一心不乱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ないとは限りません。そこで髪長彦は勇気をとり直して、吠えたける犬をなだめながら、
一心不乱に笛を吹き出しました。
するとその音色《ねいろ》の面白さには、悪者の土....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
かりながら、口の内に秘密の呪文《じゅもん》を念じて、鏡を相手につきつけつきつけ、
一心不乱に祈念をこめる――これだけでも普通の女なら、気を失うのに違いありませんが....
「或る女」より 著者:有島武郎
い縁側に定子がたった一人《ひとり》、葉子にはしごき帯を長く結んだ後ろ姿を見せて、
一心不乱にせっせと少しばかりのこわれおもちゃをいじくり回していた。何事にまれ真剣....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
い》
犯此法師者《ほんしほっししゃ》 当獲如是殃《とうぎゃくにょぜおう》
と
一心不乱、さっと木の葉を捲《ま》いて風が南《みんなみ》へ吹いたが、たちまち静《し....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った。そして君は、着込んだ厚衣の芯まで水が透って鉄のように重いのにもかかわらず、
一心不乱に動かす手足と同じほどの忙しさで、目と鼻ぐらいの近さに押し迫った死からの....
「親子」より 著者:有島武郎
、丹念に何か書きこんでいた。スコッチの旅行服の襟が首から離れるほど胸を落として、
一心不乱に考えごとをしながらも、気ぜわしなくこんな注意をするような父だった。 ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
は触れないでクララの体は抵抗のない空間に傾き倒れて行った。はっを打って落ちながら
一心不乱に聖母を念じた。 ふと光ったものが眼の前を過ぎて通ったと思った。と、そ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、一日中、またこの正午になる一時間ほど、寂寞とするのは無い。――それは小児たちが
一心不乱、目まじろぎもせずにお弁当の時を待構えて、無駄な足踏みもせぬからで。静な....
「地球盗難」より 著者:海野十三
の本も駄目だア」 彼は机の上から原書をつき落とすようにして、紙を展げると何事か
一心不乱に書いた。訳の分らぬような図面も描いた。だがそれも最後へ来て、怒ったよう....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
レリウスの冴えた槌の音をそのままに反響した。彼は長い間、誰をも仕事場へ入れずに、
一心不乱に仕事に努めていたが、ある朝彼はいよいよ仕事が出来上がったから、友達の批....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
眼を離してはならぬ。』 お爺さんからそう注意されるまでもなく、私はもう先刻から
一心不乱に深い統一に入って、黒雲の中を睨みつめて居たのですが、たちまち一体の竜神....
「三人の師」より 著者:上村松園
」 と決心をし、髪も結わずに――髪を結う時間が惜しいので、ぐるぐるの櫛巻にして
一心不乱に先生の画風を学んだり、先生のご制作を縮図したりしたものである。 写生....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
にも説くこともあります。 私はこの頃、皇太后陛下の思召によります三幅対の制作に
一心不乱になっております。これは今から二十一年も前に御仰せを蒙ったものですが、い....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
も、お嬢さんが酷く差込んだというのを気にして、尋ねますから、婆さんが、その時だ。
一心不乱に蘭蝶を、語り済ましている内に、うむといってお夏さんが苦しみ出したんだそ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の団結を助くるゆえんなり。第三に、宗教は人の感情の上に動き、人の精神の中に入り、
一心不乱、鋭意不撓の気風を養成するに最も適したるものにして、したがって一国の独立....