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一散走り
「一散走り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一散走りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
せい」 色香も程の、うれしく仇な八ツ橋の言葉をあとにして、ひらりと駕籠に乗るや
一散走り。―― ※すういとな、すういとな。 ぬしが帰りの駕籠道に 憎や小雨が降....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の手綱さばきもあざやかに、不忍池《しのばずのいけ》の裏なる豆州家お下屋敷目ざして
一散走りでした。 はせつけたのは、ちょうど暮れ六ツ。パッと馬を捨てて地上に降り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か暗いなかに光ったかと思うと、茂原はあっと云って倒れた。神崎はすぐに刀を引いて、
一散走りに芝の方角へばたばたと駈けて行ってしまった。梶井と高島は呆気に取られて、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ったその隙に乗じながら、主水之介はわが意を得たりとばかりに、莞爾としながら女共共
一散走り! 角を曲ると同時に、なるほど目を射ぬいたものは、そこの千種屋の前一帯....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
如、闇を裂いて伝わって来たのは、まさしく東口御小屋門のかなたからです。 同時に
一散走りでした。 駈けつけて見すかすと、なるほど八九名の影がある。しかも大きな....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
に吠えるといいわッ」 憎々しげに言ってすてると、ひらりと馬の背に打ち跨りながら
一散走りでした。 「まてッ。馬鹿者! 待たぬかッ。馬鹿者!」 同時に退屈男が呼....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
! 刀を!――」 一同は鋤や鍬をそこへ投げすてて、もと来た森かげの物置小屋へ、
一散走りに引っ返してゆく。 みなが来るまで、なんとかしてこの場をつなごうと、左....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
り移って来たような気持がして来た。 もう、私は意地も我慢もなくなった。そして、
一散走りに家へ帰ると、力一杯顔を洗い、鏡を見つめて、ようよう気が休まったのである....
「四月馬鹿」より 著者:渡辺温
ば!……』エミ子は周章てて、受話器をかけて、門口迄追いかけたのですが、文太郎君は
一散走りに通りへ曲って行ってしまいました。 富士山が見える媾曳 エミ子は不安....
「この夏」より 著者:宮本百合子
うに――いや本当に魔性的な蜘蛛はそのくらいなことはやるかもしれない――折を狙って
一散走りに遁走するか。一々を実際の目で見ると、生物に与えられた狡智が、可笑しく小....
「ひな勇はん」より 著者:宮本百合子
身ぶるいをした、そして、あけようとしたのをそのまんまぬき足に一間位あるいてあとは
一散走りに走って内にかけ込んでホーッと息をついて白い眼をして後をふりっかえった。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いう丹波の言葉に、与吉はふっと思いついて、こっそり屋敷を抜け出るが早いか、夜道を
一散走り。
吾妻橋《あづまばし》下の河原の小屋へ。
かの、隻眼隻腕の刃妖《じ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
よ、さア/\」 と追いやる如く引立つれば、熊は頷く様子にてお町の顔を一度見て、
一散走りに谷間の方へ駈け出します。 町「それ撃たれなよ」 と云う間もあらばこ....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
突すべしとは覚えねば、余はいかなる暗礁に衝突せしかを見んと、バネのごとく跳ね起き
一散走り、足許定まらず幾度かまろばんとするをようやくこらえて、船底と甲板との間に....
「青銅鬼」より 著者:柳川春葉
が、何か後方から引付けられるような気がしたので、それから先は、後方をも振向かず、
一散走りに夢中で駈出したが、その横町を出ると、すぐ其処が金剛寺坂という坂なので、....