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「一朝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一朝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
姪子」より 著者:伊藤左千夫
残りそうですよ、金で残らなくてもあの、小牛二つ育てあげればって、此節は伯父さん、一朝に二かつぎ位草を刈りますよ、今の了簡《りょうけん》でいってくれればえいと思い....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
、殊に手足まといの幼少者などある身には、更に痛切に無事を願うの念が強いのである。一朝|禍を蹈むの場合にあたって、係累の多い者ほど、惨害はその惨の甚しいものがある....
階段」より 著者:海野十三
るものと他人からも謂われ、自分としても、強い自信をもっていたのであった。何が僕を一朝にして豹変せしめたか、そのキッカケは、大学三年のときに、省線電車「信濃町」駅....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
憐れむような心持にもなって来た。これではシナの兵は弱い筈である。 多年の因習、一朝に一洗することは不可能であるとしても、新興国の当路者がここに意を致すことなく....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
夫までは糞桶を担いでいた百姓が俄に紋付の羽織を着る地主様となって、お邸の旦那様が一朝にして下掃除人の地借或は店借となって了う。経済上の変革が齎らす位置転換も爰に....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
して、この奇蹟的によみがえった男を、ひと目見ただけで、人生の意義と悦楽とはすべて一朝にして滅びてしまうのである。そこで、この男を皇帝に謁見させることは危険である....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
然たる因果の理法の現れで、金は飽まで金、鉛は最後まで鉛である。魂の品質は、決して一朝一夕の所産でない。そは霊性の中に織り込まれたる綾であり、模様であり、両者を切....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
がありました。しかし父は変人ですし、それに水戸の藩から出た武士|気質は、なかなか一朝一夕にぬけないで、新門のいう話なぞはまるで初めから取合わず、この興行の仕舞ま....
」より 著者:秋田滋
口をきく。と、その声はあなたに幸福の波を浴びせるのです。 ところで、そのひとが一朝にして消え失せてしまうのです。ああ、考えてもみて下さい。そのひとはただあなた....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
不思議な出来事が続け様で、発端は五月頃、庭へ五六輪、菖蒲が咲ていたそうでその花を一朝奇麗にもぎって、戸棚の夜着の中に入れてあった。初めは何か子供の悪戯だろうくら....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
来に起こる事柄を、夢によって卜し得るということである。けだし、その理由に至りては一朝一夕に解し得べきことにてはありませんが、よく世間で、夢に見たとおりのことが千....
妖怪談」より 著者:井上円了
なはだ困難のこと(話せぬわけではないが、心のもとからして話さねばなりませぬから、一朝一夕のことにはまいりませぬ)であります。なお、幽霊を話すには足りませぬ。どう....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
もそんな真似は覚束ない、平生名利の巷に咆哮している時は、かかる念慮は起らない、が一朝|塵界を脱して一万尺以上もある天上に来ると、吾人の精神状態は従って変ると見え....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に反して人民の教導をひとりヤソ教者に委するも、世間の神仏二教を信ずるもの、決して一朝一夕に改宗転派するものにあらず。その改宗転派の日を待ちて、はじめて人民の知識....
西航日録」より 著者:井上円了
うと願い、ふたたび西方への航路万里の途についたのであった。) 新橋発車 決意一朝辞帝京、学生千百送吾行、鉄車将動煙先発、万歳声埋汽笛声。 (意を決してこの日....