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「一本立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一本立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本所両国」より 著者:芥川竜之介
倒れとか首くくりとかの死骸を早桶に入れその又早桶を葭簀に包んだ上、白張りの提灯を一本立てて原の中に据えて置くという話だった。僕は草原の中に立った白張りの提灯を想....
星座」より 著者:有島武郎
。いつでも見落すことのできないのは、北二条と大通りとの交叉点《こうさてん》にただ一本立つエルムの大樹だった。その夕方も園は大通りに出るとすぐ東の方に眼を転じた。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
焼け出されが只事じゃアありません。前世の業のようなんだから致し方はありません、柱一本立直らないで、それだけの身上がまるで0。気ばかりあせっていなさる中に旦那が大....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
一二年の童児であったろう。此の時代、文人の収入を得る道が乏しく、文人が職業として一本立ちする能わず、如何に世間から軽侮せられ、歯いされなかったかは今の若い作家た....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
翕々亭と称していた。 その頃二葉亭は学校を罷めてしまって、これから先きどうでも一本立ちにならねばならない場合であった。親代々家禄で衣食した士族|出の官吏の家で....
暗号数字」より 著者:海野十三
村の身の上を案じていた。 それからいよいよ帆村の活動が始まったのである。全くの一本立だった。自分の頭脳と腕力とが、只一つの資本だった。 ※x=□□□□□□=7....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
じめ白人看護婦を指して右の人さし指を一本たて、こんどは梨花を指して左の人さし指を一本立てた。そしてそれを向かいあわせにもってきて、ぴょこぴょこさげ、両方の指がし....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
っぱな工業が起るわけがない。はじめは苦しいし困るかもしれないけれど、日本は日本で一本立ちのできる独得の工業をつくりあげる必要がある。それは一日も早く、とりかから....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
バスケットの中から二百何円って大金が出て来たんです……もっとも当人は、将来自分が一本立をするためにふだんから始末して貯えた金だと云い張ったんですが……ま、そんな....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
かき分けて根よく探しまわると、藪の出はずれの、やがて墓場に近いところに大きい椿が一本立っている。その枝に細紐をかけて、お兼らしい娘がくびれ死んでいるのを発見した....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
少数の子分もみんな失望して散った。さらでも孤立の次郎左衛門は、いよいよほんとうの一本立ちになってしまった。彼の影はいよいよ寂しくなった。 「いっそ、この方が旦那....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
、もとより墓標なども見えなかったが、それでも寺僧の情けで新しい卒塔婆《そとば》が一本立っていた。 十年振りでめぐり合った父が直ぐにここの土になろうとは、まるで....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
庭口から裏手へまわった。そこには広い空地があって、古い井戸のほとりには大きい椿が一本立っている。おそよはその井戸のそばへ忍び寄って、月あかりに井戸の底を覗いてい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。猫婆なんていうおふくろは生きていねえ方が却って好いかも知れねえ。お前もこれから一本立ちになってせいぜい稼いで、みなさんのお世話で好い嫁でも持つ算段をしろ」と、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の奥は空地になっていて、そこには大きい掃溜めがあった。昔から栽えてある大きい桜が一本立っていた。お作は浅草の奥山の茶店に出ているが、そのほかに内々で旦那取りをし....