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一杯機嫌
「一杯機嫌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一杯機嫌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
やし》の連中にひょっとこの面を借りて、舷《ふなばた》へ上ったのも、やはりいつもの
一杯機嫌でやったのである。
それから踊っている内に、船の中へころげ落ちて、死ん....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
姿だの――そんな物が一度に眼の前へ、浮んで来たような気がしたそうです。が、何しろ
一杯機嫌で、「そりゃ面白い。是非一つ見て貰おう。」と、負惜しみの膝を進めました。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を聴かされている武助はやりきれません。すっかり気を悪くして癪にさわった。おまけに
一杯機嫌ですからなお堪まりません。もう一つには、ここで二人にごたごたされていては....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
仲間ではないと、おたきは云った。また飯田町辺のある旗本屋敷の中間《ちゅうげん》は
一杯機嫌でそこを通りかかって、白い手ぬぐいをかぶった女にゆき逢ったので、これも例....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や》な噂があるから、今夜は泊まってゆけと勧められたのであるが、巳之助は若い元気と
一杯機嫌とで、振り切って出て来た。 月は無いが、星の明るい夜であった。巳之助は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
七もさんざんの体《てい》になった。おとなしく縛られた方が無事であると知りながら、
一杯機嫌の半七は癪にさわって相手をなぐり付けた。手向いをする以上は、相手はいよい....
「親子」より 著者:有島武郎
だけで、取り合わなかった。 監督は一|抱えもありそうな書類をそこに持って出た。
一杯機嫌になったらしい小作人たちが挨拶を残して思い思いに帰ってゆく気配が事務所の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
部か。はっはっはっ、もう酒はないぞ」 「酒はもうのまんことにきめた。おや、貴様は
一杯機嫌だな。朝から酒とは、どうも不埒千万、けしからんじゃないか」 「はっはっは....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
ところは法善寺的――大阪的だが、ここの関東煮が頗るうまいのも、さすが大阪である。
一杯機嫌で西へ抜け出ると、難波新地である。もうそこは法善寺ではない。前方に見える....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ツ、ちょこなんと揃って、灯に照れたからである。 橙背広のこの紳士は、通り掛りの
一杯機嫌の素見客でも何でもない。冷かし数の子の数には漏れず、格子から降るという長....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
嫉妬に堪えかねて、夫婦喧嘩の絶え間はなかった。 その晩もいつもの夫婦喧嘩から、
一杯機嫌の権七は、店にならべてある商売物のなかから大工道具の手斧を持ち出して、女....
「明日」より 著者:井上紅梅
睡らぬ家が二軒あった。一つは咸亨酒店で、四五人の飲友達が櫃台を囲んで飲みつづけ、
一杯機嫌の大はしゃぎ。も一つはその隣の單四嫂子で、彼女は前の年から後家になり、誰....
「穴」より 著者:岡本綺堂
嫉妬に堪えかねて、夫婦喧嘩の絶え間はなかった。 その晩もいつもの夫婦喧嘩から、
一杯機嫌の権七は、店にならべてある商売物のなかから大工道具の手斧を持ち出して、女....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の好景気のために、今まで劇場内へ足を入れなかったような客が俄かに殖えて、それらが
一杯機嫌などでむやみに騒ぎ立てるので、それがまた一種の群衆心理を醸し成して、劇場....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を見送りもせざりける。 得右衛門を始めとして四人の壮佼は、茶碗酒にて元気を養い
一杯機嫌で立出でつ。惜しや暗夜なら松明を、点して威勢は好からんなど、語り合いつつ....