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「一枚看板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一枚看板の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ぶんな古物で、時の破壊力そのものにさえも慈悲をかけられているような、天にも地にも一枚看板の、木綿《めん》まじりの寛衣《へやぎ》にくるまって過すことにした。正直な....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
く話したらどうだ」 「ところが、そいつがくやしいことにはおあいにくさま。だんなの一枚看板がむっつり屋であるように、あっしの能書きたくさんもみなさまご承知の金看板....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざいます。こればっかりはお許しがないと売り出せぬ品でございますゆえ、てまえの店の一枚看板にしておりますが、ご入用でございますか」 「さよう、あったら一枚売ってく....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
に誓うか」 「ちえッ、うたぐり深いだんなだな。あっしだって、おしゃべり屋ばかりが一枚看板じゃござんせんよ。意気と意気が合ったとなりゃ、これでなかなかがっちりとし....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
収する計画を樹てていますねん。こら誰にも言わんといとくれやすや、その暁はあんたに一枚看板になって貰わんならん。芸術映画ちゅうもんをやりまっさかいな、どうしてもあ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、俺はなんだか、可笑しくって仕様がねえ」 「ハッハッハッハッハ、なけなしの俺が一枚看板みたいに、動物富籖をもっているのが、そんなに可笑しいか。だが、俺だって当....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
盾におきました。「資本家の搾取」、それが彼らのスローガンなのでした。それが彼らの一枚看板でした。だからその苦の内容は、どこまでも物質でした。経済的でした。語を換....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なことをお言いでないよ、ムクの梯子登りと火の輪くぐりは呼び物になっていて、あれで一枚看板の役者なんだから、抜くことはできませんね」 「それでは、ムクの芸が済みま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ようとするもの、これから生かそうとするもの、そんなものがこの世にあるか知ら、この一枚看板の一張羅《いっちょうら》、生かそうと殺そうと、質屋の番頭の腕次第……」 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こうなっては、たしかにかどわかされたと見るよりほかはない。大切《だいじ》の大切の一枚看板を外されては、明日からの人気にさわる。人気よりも、損得よりも、出し抜かれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なかったが、さて、この土地の席亭の模様はいかに、客種はいかに、講釈といううちにも一枚看板でやるのか、また色物か、真打《しんうち》は――いずれ、聞いたことのない大....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うにほうりだして、一礼して引きさがるという次第であった。 この花嵐オソメさんを一枚看板の抜弁天一座が、芝虎の門の琴平様の縁日をあてこんで五日前からかかっていた....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
藤、これは安永の代表的美人、しかしもうそれは過去の女で、この時代ではこのお杉が、一枚看板となっていた。身分は水茶屋の養女であったが、その綽名は「赤前垂」……もう....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
る。お杉は憫れむように我子の顔を見た。 一口に酌婦とは云うものの、お葉は柳屋の一枚看板で、東京生れの気前は好し、容貌も好し、山の中には珍しい粋な姐さんとして、....
挿話」より 著者:徳田秋声
だ」 「私は人のように派手なこと嫌いや。それにたんともないさかえ、こんなものなら一枚看板でも目立たんで、いいと思って」 道太は一反買ってやってもいいと思ったけ....