一楽[語句情報] »
一楽
「一楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
恰も我々が美妙なる音楽に心を奪われ、物我相忘れ、天地ただ嚠喨《りゅうりょう》たる
一楽声のみなるが如く、この刹那いわゆる真実在が現前している。これを空気の振動であ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
の砂利踏みにじりて、五六人ドヤドヤと中等室に入り込みぬ。なかに五十あまりの男の、
一楽の上下ぞろい白縮緬の兵児帯に岩丈な金鎖をきらめかせ、右手の指に分厚な金の指環....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
も、試みにこういう考えを仮設してもう少し比較を進めてみたらどうなるか。 まず第
一楽章六句はおのずから温雅で重厚な気分に統一されている場合が多いようである。ここ....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
の旗のはためきに移る瞬間に、われわれはちょうどあるシンフォニーでパッショネートな
一楽章から急転直下 Attacca subita il seguente に明朗....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
る。そうして懐紙のページによって序破急の構成がおのずから定まり、一巻が渾然とした
一楽曲を形成するのである。 発句は百韻五十韻|歌仙の圧縮されたものであり、発句....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
役者でも決してただのむだな点景人物ではなくて、言わば個性シンフォニーの中の重要な
一楽器としての役目を充分に果たしているようである。これに反してヤニングスの場合は....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、ぱっと目についた。 髪の艶も、色の白さも、そのために一際目立つ、――糸織か、
一楽らしいくすんだ中に、晃々と冴えがある、きっぱりした地の藍鼠に、小豆色と茶と紺....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
む。それか、あらぬかとのみ思い悩みつつ、われは夜半の道を行くなりき。 小親と同
一楽屋に居て、その顔見つつありては、われ余りに偏して、ただものに驚かせたまいしよ....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
今の喰料のみならず、貯うる事とも為し、或は諸方へ贈りものとして誇れり。此れ苦中の
一楽なり。………当地にては、白米は都会の地に比すれば倍額たるを以て、未開地の新住....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ント・オックスから快く迎えられなかったのには、さらにも一つの理由が存していた。第
一楽長のトビアス・プァイフェルは、遠からず隠退することになっていた。そしてクリス....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
綿物を着て行くのを例としていたが、その風俗が次第に変って、銘仙はおろか、大島紬、
一楽織の着物や羽織をぞろりと着込んで、手拭をぶら下げてゆく人も珍しくないようにな....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
をさして、山の井さんが、呵々と笑ったとお思いなさい。」 光起は藍と紺、味噌漉縞
一楽の袷羽織、おなじ
一楽の鼠と紺を、微塵織の一ツ小袖、ゆき短にきりりと着て、茶の....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
して、僕の解するかぎりこの作品は次のようなムーヴマンを追っているのである。 第
一楽章。平明な緩徐調。――画家が道に迷ってヴォルチャーニノフの家に近づく。その姉....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
た。ところが或る朝、突然|刺を通じたので会って見ると、斜子の黒の紋付きに白ッぽい
一楽のゾロリとした背の高いスッキリした下町の若檀那風の男で、想像したほど忌味がな....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
って鳴るその奥さんとが来られて、私の家を訪ねられたことがあった。話のついでに、新
一楽帖《しんいちらくちょう》と自称している自分の画帖を見せた。そしたらその奥さん....