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「一汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
くには、二つの途《みち》のみ。脱走、足袋《たび》はだしのまま、雨中、追われつつ、一汁一菜、半畳の居室与えられ、犬馬の労、誓言して、巷《ちまた》の塵の底に沈むか、....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
えば洋食や支那料理で二十銭から五十銭も奮発すれば、充分に腹が張るのがある。簡易の一汁一菜が十二銭|乃至《ないし》十五銭、かなりの出前弁当が二十銭、アイスクリーム....
食魔」より 著者:岡本かの子
。材料は、厨で僅に見出した、しかも平凡な練馬大根一本に過ぎないのだが、彼はこれを一汁三菜の膳組に従って調理し、品附した。すなわち鱠には大根を卸しにし、煮物には大....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
けれども青砥は、決して卑しい守銭奴ではない。質素倹約、清廉潔白の官吏である。一汁一菜、しかも、日に三度などは食べない。一日に一度たべるだけである。それでもか....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
を真似て、聞いた風なことを召さると得てこうした失敗は免かれぬ。 八百善の料理に一汁二菜の真価を解するに至らば、江戸ッ児の気分――その趣味をも了解するはいと容易....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
を手で持って出す。世子は小食であったから、大抵二椀位で稀には三椀食われた。副菜は一汁二菜と外に漬物一皿と限られていたが、一椀の飯を尽されると共に一人の小姓は直に....
」より 著者:豊島与志雄
を維持するのに、幾グラムかの流動食で充分だったし、体力を回復するのに、僅かな粥と一汁一菜とで足りた。がその必要なだけの食物は、非常な苦痛だった。寝ながら、退院後....
奥の海」より 著者:久生十蘭
るが、大臣家、羽林家と下ると、そういう保証もないので、朝は薄い茶粥に胡麻塩、昼は一汁一菜に盛りっきりの麦飯、あとは翌朝まで、咽喉を通るのは水ばかりという、詰りき....
べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
ちと重うございます。匹夫が贅に飽いたかの如き、勿体ない申し分でござるが、以後は、一汁一菜か、二菜、それも、ちさ汁、糠味噌漬などの類にて、仰せつけ下さるよう、お膳....