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一番
「一番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
屋《ぞうかや》の飾り窓。造花は皆竹籠だの、瀬戸物の鉢だのの中に開いている。中でも
一番大きいのは左にある鬼百合《おにゆり》の花。飾り窓の板|硝子《ガラス》は少年の....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
っ先に立ったのは紛《まぎ》れもないイイナ・ブルスカアヤである。イイナはボックスの
一番前に坐り、孔雀《くじゃく》の羽根の扇を使いながら、悠々と舞台を眺め出した。の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》に火事があった事――一々数え立てていたのでは、とても際限がありませんが、中でも
一番嬉しそうだったのは、彼が五姓田芳梅《ごぜたほうばい》画伯に依頼して、細君の肖....
「河童」より 著者:芥川竜之介
》会社の社長などもやはりこの部屋へ顔を出したものです。しかし最初の半月ほどの間に
一番僕と親しくしたのはやはりあのバッグという漁夫《りょうし》だったのです。
あ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
《たにざきじゅんいちろう》の『悪魔』と云う小説を読んだがね、あれは恐らく世界中で
一番|汚《きたな》いことを書いた小説だろう。」
(何箇月かたった後《のち》、僕は....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
蓮さん。今こそお蓮さんなんぞと云っているが、お蓮さんとは世を忍ぶ仮の名さ。ここは
一番|音羽屋《おとわや》で行きたいね。お蓮さんとは――」
「おい、おい、牝を取り....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
は、夢ともうつつともつかない中に、しばしば彼等を慰めに来た。殊にそういう幸福は、
一番おぎんに恵まれたらしい。おぎんはさん・じょあん・ばちすたが、大きい両手のひら....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
うな調子があった。三人きょうだいがある内でも、お律《りつ》の腹を痛めないお絹が、
一番叔母には気に入りらしい。それには賢造の先妻が、叔母の身内《みうち》だと云う理....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
は青珠《あおたま》の「こんたつ」に指をからめたり離したりしている。
「わたくしは
一番《いちばん》ヶ|瀬《せ》半兵衛《はんべえ》の後家《ごけ》、しのと申すものでご....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
いた事はない。それが書く気になったのは、江口や江口の作品が僕等の仲間に比べると、
一番歪んで見られているような気がしたからだ。こんな慌しい書き方をした文章でも、江....
「初雪」より 著者:秋田滋
われた。 彼女は、自分の計画を最後までやり遂げたことを確めるつもりなのだろう、
一番とッつきの樅の木に手を触れ、それから引ッ返して来た。彼女は二三度あわや雪のう....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
人があって、一七四一年に死んでいるが、この人に子供が十人あることは確かで、その十
一番目の子だとも、または甥だともいうのに、ロバートというのがあった。一七二四年に....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
、持っていた路銀も費い果してしまった。そこで夫婦は農家や旅籠屋で日雇取りをして、
一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の残りものを食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
く最大のものであるに違いない。という訳は、殺すということが、創り出すということに
一番好く似ているからではなかろうか。つくること、滅すこと、この二つの言葉は、この....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
る楽しみのほか、何の考えもなく足を早めて道を歩いて行きました。 伊作は丈の高い
一番丈夫な男だけに、峠を登る時は、二人から一|町ほども先きを歩いていました。多助....