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一番手
「一番手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一番手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
さて斯うして戸外に飛び出してはみたものの、第一番に何処に通報すべきであるか。
一番手近な方法は、近所の交番へ訴え出ることでしたが、警官が簡単に納得して呉れると....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「ここにもある」と云って、左側の据具足(鎧櫃の上に据えたもの)の一列のうちで、
一番手前にあるものを指差した。その黒毛三枚鹿|角立の兜を頂いた緋縅錣の鎧に、何の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
った。取付いてからも、ひどいというほどではないが荷物があり、バランスの悪い僕には
一番手強いところだった。野口五郎岳の三角標石は完全に出ていた。五郎を過ぎてから尾....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
じて、当時一般の輿望が現われているのである。 或日、武将達が集って、建武中興で
一番手柄のあった者は誰だろうと議論があった。各々我田引水の手柄話に熱を上げて居る....
「骸骨館」より 著者:海野十三
べることにしよう。 少年たちは柵の破れ目から、廃工場のある構内へ入っていった。
一番手前の工場からはじめて次々に工場の内部をのぞいていった。どの工場も、窓ガラス....
「超人間X号」より 著者:海野十三
んにひらくかどうか疑問である。 だがこうしていても、しかたがないから、ためしに
一番手前の扉の引き手を廻してみると、扉は手ごたえもなくすーッと開いた。しかし鍵が....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
当かも知れない。日本では震災後、東京に飲食店が夥しく殖えたが、それは飲食店開業が
一番手早くて、どうにかやって行けるからだと聞いた。然し巴里のレストラントの数は東....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
じめた。祖母は三枚の骨牌札を選んで順じゅんにそれを賭けて行って、とうとうソニカ(
一番手っ取り早く勝負のきまる骨牌戯)で三枚とも勝ったので、祖母は前に負けただけの....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
、こう辿ればいいのだな。一は奇数だ、云うまでもなくな。……一の道を行ってやろう」
一番手近の枝道を彼はズンズン進んで行った。とまた無数の枝道へ出た。今度は手近から....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
少し間を置いたが、 「相手がああいう相手だけに、一度で片づくと思っては早すぎる。
一番手が失敗した場合、二番手の備えをしておかないとの」 「なるほど」と釣鐘弥左衛....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
足跡の番人を仰せつかった新米の蜂須賀巡査は、奉職してから初めての殺人事件に、もう
一番手柄を立てたかと思うと、内心少からぬ満足で、こうなるとそろそろ商売は可愛らし....
「光は影を」より 著者:岸田国士
女王とする働き蜂の生活をはじめようとしていた。 しかし、こゝまで事を運ぶのに、
一番手こずつたのは、あくまでも結婚という形式で二人が同棲することを拒みつゞける小....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それを廻転させたにしても、結局それだけの分離力のない事が明らかなんだからね。あの
一番手近な方法を、残り惜し気に断める事になってしまう。けれども、あの玉幡に、重量....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
行って、壊れた棚から一つの薬箱を取り出して呑むと、少しは心地よくなったので、まず
一番手近な山本を抱き起して薬を呑ませると、暫くしてようよう息を吹き返した。二人な....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に暮しだけ立てて行かれる準備をしている――と。彼らは、きまって自分の家の周りに、
一番手近かに飲食料の貯蔵所、家畜、野菜畑、果樹園を置き、次に穀物畑、葡萄畑、次に....