»
一皿
「一皿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一皿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
、狸《たぬき》小路のいきつけの蕎麦屋《そばや》にはいった。そして煮肴《にざかな》
一皿だけを取りよせて、熱燗を何本となく続けのみにした。十分に酔ったのを確めると彼....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
時、道具屋が、めじの刺身を一臠箸で挟んで、鼻のさきへぶらさげて、東京じゃ、これが
一皿、じゃあない、一臠、若干金につく。……お前たちの二日分の祭礼の小遣いより高い....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
が、雨落に近づいたのは、巻莨で、半被股引真黒な車夫が、鼻息を荒く、おでんの盛込を
一皿、銚子を二本に硝子盃を添えた、赤塗の兀盆を突上げ加減に欄干|越。両手で差上げ....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
いる。 四 朝、静坐していると、陳老五が飯を運んで来た。野菜が
一皿、蒸魚が
一皿。この魚の眼玉は白くて硬く、口をぱくりと開けて、それがちょうど人....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
った。孔は答えず九文の大銭を櫃台の上に並べ 「酒を二合|燗けてくれ。それから豆を
一皿」 「馬鹿に景気がいいぜ。これやテッキリ盗んで来たに違いない」 とわざと大....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
が、人出にぎやか。十円で一山のみかん(小さいのが二十個位)、一本五十銭のイモ飴、
一皿二円から十円のおでんなどがみられた。 屋根のある家に、新|乾し海苔とて、近....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
食べさせる安料理屋に至るまで、巴里の料理は値段相当のうまさを持っている。たとえ、
一皿二フランの肉の料理でも、十分に食欲と味覚は満足させてくれる。 所謂美食に飽....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
はいって休む。なにか食うものはないかと婆さんにきくと、心太ばかりだと云う。試みに
一皿を買えば、あたい八厘。 花をさそう風は梢をさわがして、茶店の軒も葭簀も一面....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、二人は新富町の竹葉へたびたび鰻を食いに行ったことを覚えている。竹葉の蒲焼は普通
一皿が十二銭五厘、飯が一人前三銭で、二人ともに鰻が大好きであるから必ず二人前ずつ....
「世相」より 著者:織田作之助
とはまるで嘘のようであった。値をきくと、指を一本出したので、煙草の五円に較べれば
一皿一円のカレーライスは廉いと思い、十円札を出すと、しかし釣は呉れず、黒いジャケ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
と思い出して、 「――それより、にぎりを持って来てくれ」 十五円のライスカレー
一皿では、腹が一杯にならなかったのだ。 「にぎり一チョウ!」 「あ、二皿にしてく....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
いう間に財産をつぶしてしまった男の顔かという眼でみれば、なるほどそれらしかった。
一皿十円も二十円もする果物の皿をずらりと卓に並べるのが毎晩のことで、何をする男か....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
し実際安治川君、近頃のカフェーほど危ないところはないからな。あれじゃとても洋食の
一皿も青年一人で食いにやれないなア」 「じゃ、女郎屋はいったいどうするんだ」 「....
「城」より 著者:カフカフランツ
いくのではなく、わきのほうへ階段を二、三段、降りていった。彼女はまもなく肉切れの
一皿と一|壜のぶどう酒とをもってやってきたが、それはどう見ても食事の残りものにす....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
当日は若主人が迎えに来て、丁重な夕食を相客と一しょに馳走になった。膳の上には
一皿の小魚の煮附が載っている。それがもろこは近所の川で今朝|漁ってきたものである....