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一目
「一目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
うす》に驚いて、急いでこちらを御覧になりましたが、御姉様《おあねえさま》の御顔を
一目見たと思うと、
「御姉様。」
「妹。」と、二人の御姫様は一度に両方から駈けよ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
朱社《はくしゅしゃ》の巫女《みこ》などは、摩利信乃法師を祈り殺そうとした応報で、
一目見るのさえ気味の悪い白癩《びゃくらい》になってしまったそうでございます。そこ....
「影」より 著者:芥川竜之介
には、――血走った眼の中には、凄まじい殺意が閃《ひらめ》いていた。が、相手の姿を
一目見るとその殺意は見る見る内に、云いようのない恐怖に変って行った。
「誰だ、お....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
正しい黒ずくめの洋服に、上品な山高帽《やまたかぼう》をかぶっていた。私はこの姿を
一目見ると、すぐにそれが四五日前に、ある会合の席上で紹介された本多子爵《ほんだし....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
うに近いかも知れない。あの日、伯母様の家の一間で、あの人と会った時に、私はたった
一目見たばかりで、あの人の心に映っている私の醜さを知ってしまった。あの人は何事も....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
うな鈍い光のある、幅の広い川面《かわづら》は、遠い新大橋にさえぎられるまで、ただ
一目に見渡される。両岸の家々はもう、たそがれの鼠色《ねずみいろ》に統一されて、そ....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
グラウンドの向うの並松《なみまつ》や、そのまた向うの赤煉瓦《あかれんが》の建物を
一目《ひとめ》に見渡すのも容易だった。海も――海は建物と建物との間《あいだ》に薄....
「白」より 著者:芥川竜之介
いけがき》の蔭に犬殺しの姿が隠れるが早いか、可哀《かわい》そうな黒を残したまま、
一目散《いちもくさん》に逃げ出しました。
その途端《とたん》に罠が飛んだのでし....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
やや平《たいら》になって、一本の楡《にれ》の若葉の下に、夕日を浴びた部落の屋根が
一目に見えるあたりまで来ると、そこには四五人の若者たちが、一人の若者を相手にして....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
た囲炉裡《いろり》の側に、勇之助が蜜柑《みかん》を剥《む》いている。――その姿を
一目見るが早いか、女は何の取付《とっつ》きもなく、和尚の前へ手をついて、震える声....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
姫はもう十二になった筈じゃな。――おれも都には未練《みれん》はないが、姫にだけは
一目会いたい。」
わたしは御心中《ごしんちゅう》を思いやりながら、ただ涙ばかり....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ました。
「これがお望みの秋山図です」
煙客翁《えんかくおう》はその画《え》を
一目見ると、思わず驚嘆《きょうたん》の声を洩らしました。
画は青緑《せいりょく....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
の日本人があります。それがどう思ったのか、二階の窓から顔を出した支那人の女の子を
一目見ると、しばらくは呆気にとられたように、ぼんやり立ちすくんでしまいました。 ....
「墓」より 著者:秋田滋
、四囲に気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを指して、
一目散に駈けて行ったかと思うと、トモアゾン夫人の墓石のそばのところで、ピタリと停....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
入れのゆきとどいた陶器など、莫大な宝物が見えていた。 イカバッドがこの楽天地を
一目見た瞬間から、彼の心の平和は消えてしまい、彼の唯一の念願は、どうしたらヴァン....