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一穴
「一穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
兎《と》という、兎は吐なり〉と出づ。雌雄ともに八竅とは鳥類同様生殖と排穢の両機が
一穴に兼備され居るちゅう事で兎の陰具は平生ちょっと外へ見えぬからいい出したらしい....
「名君忠之」より 著者:夢野久作
まま大公儀の付け目じゃ。越前宰相殿、駿河大納言殿の先例も近いこと。千丈の堤も蟻の
一穴から……他所事では御座らぬわい。拙者の苦労は、その一つで御座る」 「フーム。....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
でもなく、殊更、自分は、大望ある身体《からだ》、千丈の堤《つつみ》も蟻《あり》の
一穴。辛抱だ――
と、胸を撫《な》でて、
「では、こうして、お詫びいたします程....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
も、穴狙いには、三万円のモトデが必要だから、三千や五千の穴しか出ない競輪場では、
一穴や二穴では回収がつかず、この方法も結局ダメということになるのである。 ....
「雪の宿り」より 著者:神西清
は日に幾百と数しれず、四条五条の橋の下に穴をうがって屍を埋める始末となりました。
一穴ごとに千人二千人と投げ入れますので、橋の上に立って見わたしますと流れ出す屍も....
「新疆所感」より 著者:日野強
その喪失は、老大帝国瓦解の前提たらざるを保すべからず。千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の
一穴よりついえ、至堅の框木も一楔木の挿入より裂くるを思わば、いずくんぞ寒心せざる....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も仕方がないところがある。しかし御執事、それがしは陽性のつもりでいます。ご存知の
一穴の貉のごとき陰性な者とは御同視なきように」 「貉?」 「さればあれは仲のよい....