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一筆
「一筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
こう」
「だって明朝困りますわ。わたしが留守だと妹たちが学校に行けないもの」
「
一筆書いて学校なんざあ休んで留守をしろといってやれい」
葉子はもちろんちょっと....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
お光はふと振り向いて訊いた。 「兄さま。わたくしが橋場へまいることを、八橋さんへ
一筆《ひとふで》知らせてやりましょうか」 お光は八橋と文通をしていた。兄の使い....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
る、最後に至りて声を上げる)こんどの狂言われも心に懸り候ままかくは急飛脚をもって
一筆呈上仕り候。少長どのに仕負けられては、独り御身様の不覚のみにてはこれなく、歌....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
でもなく、虫を聞く時節でもなく、家は古いが、壁から生えた芒も無し、絵でないから、
一筆|描きの月のあしらいも見えぬ。 ト忌々しいと言えば忌々しい、上框に、灯を背....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いなり放題になって、その代りに何かの手筈を定めて来たものと見えた。おッ母さんから
一筆青木に当てた依頼状さえあれば、あすにも楽な身になれるというので、僕は思いも寄....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
いのか、今はここにちゃんと割切ってみせて答を出す必要はなかろう。それよりもここに
一筆しておかなければならないことは、かれ烏啼天駆がこの頃何を悟ったものか「健全な....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
と満足しないだろうと思った。 実はまだ彼はこの作の本当のヤマというべきところを
一筆も書いていないのであった。読者が怒らないうちに、すぐ後を続けなければならぬと....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
落ちかかる……線路の上には、ばらばらと人立がして、明い雲の下に、海の方へ後向に、
一筆画の墨絵で突立つ。蓑を脱いで手に提げて鍬を支いた百姓だの、小児を負った古女房....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ばらく間接的証明の蓄積によりて、一歩一歩自己の信念を固められたい。自己を裁くと同
一筆法を以て他を裁けば、決して間違いは起らない。それが審神の要訣である。 (評釈....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ぐれもよろしくおっしゃって下さい。エミイより おしたわしきマーチおくさまへ――
一筆申しあげます。みなさんおたっしゃで、おりこうで、よくおはたらきになります。メ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
えに来るという望を起すことが出来ない。彼が持っていた抱負、志向、希望、前途がただ
一筆で棒引されてしまった。閑人のお布れが行届いて、小D、王※などに話の種を呉れた....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ぬいた。バルザックの「谷間の百合」上下二巻である。扉に、ちよつと走り書きで、何か
一筆と思つたのだけれども、とつさにいゝ文句が思い浮ばない。 「わたしも、まだ、こ....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
あれほどくどく言ったじゃないか。それにもうよこすなんてこの手紙の初めについお礼を
一筆書いては仕舞ったようなものの私はおこるよ。 改めて言うまでもなく、あなたを....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
、画室の戸締まりをしに入りますと、昼間描いた絵がふと目に入ります。つい筆をとって
一筆加える。そばの参考の本をめくって見る、また筆を加える。気がついた時は夜は深く....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
うことをやりまして、赤毛氈をしいた上に絵師が並んで扇子、短冊、色紙などへどうか御
一筆と、来る人毎に簡単なものを描いて渡したものでした。 松年塾には私の他に竹園....