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一群
「一群〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一群の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
以前の事である。藤判官《とうほうがん》の屋敷を、表から襲った偸盗《ちゅうとう》の
一群は、中門の右左、車宿りの内外《うちそと》から、思いもかけず射出した矢に、まず....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《ま》に鮮《あざや》かになった。それはいずれも見慣れない、素朴《そぼく》な男女の
一群《ひとむれ》だった。彼等は皆|頸《くび》のまわりに、緒《お》にぬいた玉を飾り....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
たに佇《たたず》んだ老人の姿を見るや否や、気づかわしそうに寄り添った。この足弱の
一群からは、「思兼尊《おもいかねのみこと》、思兼尊。」と云う言葉が、ため息と一し....
「少年」より 著者:芥川竜之介
そう》も浮かべている。長い煙を空へ引いた二本マストの汽船も浮かべている。翼の長い
一群《いちぐん》の鴎《かもめ》はちょうど猫のように啼きかわしながら、海面を斜めに....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
幸福なる所以も兎に角彼等の死んでいることである。
幻滅した芸術家
或
一群の芸術家は幻滅の世界に住している。彼等は愛を信じない。良心なるものをも信じな....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
い野原に変りはじめる。その又野原から舞い上る、何羽とも知れない白鷺《しらさぎ》の
一群。………
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前の岬の上。「さん・せばすちあん」は望遠鏡を持ち....
「或る女」より 著者:有島武郎
も理解していない社会ほど愚かしげな醜いものはなかった。葉子の目から見た親類という
一群《ひとむ》れはただ貪欲《どんよく》な賤民《せんみん》としか思えなかった。父は....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《ののし》る声せるは、見世物師らが打ち連れ立ちて公園を引き払うにぞありける。この
一群れの迹《あと》に残りて語合《かたら》う女あり。 「ちょいと、お隣の長松《ちょ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
浴に誘ったのである。 お妙の次を道子が乗った。ドン尻に、め組の惣助、婦ばかりの
一群には花籠に熊蜂めくが、此奴大切なお嬢の傍を、決して離れる事ではない。 これ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て貴族の物真似をしていたに過ぎないのだ。 基督の教会に於て、私は明かに偽善者の
一群に属すべきものであるのを見出してしまった。 砂礫のみが砂礫を知る。金のみが....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。これよりも質量が小さくまた速度の小さいもののうちで、同様な遠心力を有するものが
一群となって、それが前記の第二の要素の一つとなった(この中で質量の最小な群が一番....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
そべった労働者の鼾が聞こえた。 ヤコフ・イリイッチは徐ろに後ろを向いて、眠れる
一群に眼をやると、振り返って私を※でしゃくった。 見ろい、イフヒムの奴を。知っ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
見えて青くなり、都会の空に香わしい春の匂いが漂ってきた。松の花粉を浴びた女学生の
一群が、ゆえもなく興奮しきって、大きな邸宅の塀の下を、明るく笑いながら帰って行っ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
出来ないからさ。御覧よ、今本願寺|参が一人通ったろう。たしかあれは十四五人ばかり
一群なんだがね、その中でも二三人、体の暗い奴等が紛れ込んで富山から放れる筈だよ。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
紛うた、世にも美しい娘なんです。」 彫玉の技師は一息した。 「……出稼の娼妓の
一群が竜巻の下に松並木を追われて行く。……これだけの事は、今までにも、話した事が....