一群れ[語句情報] » 一群れ

「一群れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一群れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
てかしこなる躑躅の丘に上らんとて、池に添いつつ歩めるとき、かなたより来たりたる、一群れの観客あり。 一個《ひとり》洋服の扮装《いでたち》にて煙突帽を戴《いただ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《ののし》る声せるは、見世物師らが打ち連れ立ちて公園を引き払うにぞありける。この一群れの迹《あと》に残りて語合《かたら》う女あり。 「ちょいと、お隣の長松《ちょ....
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
てる薔薇の花を吾が耳のあたりに抛《なげう》つ。花びらは雪と乱れて、ゆかしき香りの一群れが二人の足の下に散る。…… Druerie の時期はもう望めないわとウィリ....
あの時分」より 著者:国木田独歩
いのがいくつか凸起しているので、雁にはよき隠れ場であるので、そのころ毎晩のように一群れの雁がおりたものです。 恋しき父母兄弟に離れ、はるばると都に来て、燃ゆる....
田舎教師」より 著者:田山花袋
やかに聞こえる。やがて暇を告げた医師は、ちょうどそこに酸漿提灯を篠竹の先につけた一群れの行列が、子供や若者に取り巻かれてわいわい通って行くのに会った。 「万歳!....
死者の書」より 著者:折口信夫
た。 寺の奴が、三四人先に立って、僧綱が五六人、其に、大勢の所化たちのとり捲いた一群れが、廬へ来た。 これが、古山田寺だ、と申します。 勿体ぶった、しわがれ声が....
わかれ」より 著者:国木田独歩
びて冬は北の風を防ぎ夏は涼しき陰もてこの屋をおおい、水車場とこの屋との間を家鶏の一群れゆききし、もし五月雨降りつづくころなど、荷物|曳ける駄馬、水車場の軒先に立....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
やその苦難を目撃するのだ。その中に、火の湖に落とされている、実にすさまじい罪人の一群れがある。その連中のなかには、火の湖の底深く沈んで、もはや浮かび上がることが....
微笑」より 著者:豊島与志雄
は、夜更けの寂しさが俄に感ぜられた。皆知らず識らずに歩廊の端に歩み寄って、其処に一群れをなして佇みながら、自分達の電車のくるのを待っていた。 最初はちらちらと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てしまった動物どもの名残《なご》りとも言うべき、うろついてる犬や小鳥、あるいは、一群れの小蝿《こばえ》、町の一郭を蚕食してる眼に見えない病菌――それらに眼をやる....
無法者」より 著者:豊島与志雄
のを背景に、大きな自然石が配置され、その石のたもとに、黄色い葉が僅か散り残ってる一群れの山吹があった。それに志村は眼をとめた。 「やまぶき、という家ですが……。....
小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
イチク、チュクチュク、騒がしいったらない。朝日の光りがさしてくると、ぱっぱっと、一群れずつ飛び立ち、四散して、どこかへ行ってしまう。そして夕方また帰ってくる。何....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ら野良へ出ようとした時彼は大勢の足音を聞いた。見れば鷹狩りの群れが来る。 その一群れは足並揃えて粛々とこっちへ近寄って来る。同勢すべて五十人余り、いずれも華美....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
てました。それがあいずでした。そして飛びたちますと、ほかの椋鳥もついてきました。一群れになって、中空をさーっと飛んで、近くの木立へ遊びに行きました。 この一群....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
まま》にするのだ。 *190 創作に、生き甲斐を見いだす、あの詩人の一群れを、そのままにしておこう。 「詩人! まっぴらだ」などと威張るまい。 僕....